未来編第弍話「旅へ」

ギコ猫はツチノコらに同行することとなり、まずはフレンズやパークについて説明を受けた。


ツチノコ「じゃ、出発するぞ」


ギコ猫「あの、その前に持ち物を取りに戻って良いですか?」


ツチノコ「そうか。よし、スナネコお前も来い」


スナネコ「何かあるんですか?」


ギコ猫「確かこの近くに建物があったはずです」


ギコ猫が向かったのは、森林の中にひっそりと建っている建物であった。


ツチノコ「これは!遺跡じゃないか!まさかこんな所で新しい遺跡に出会えるなんて!」


ギコ猫「この建物の中に、色々使えそうな物がありました」


しかし、遺跡は何故か天井が低いため、三人は腰をかがめながら入ることとなった。


ギコ猫「この部屋に色々置いてあるみたいです」


ツチノコ「それが何で分かったんだ?元々知っていたのか?」


ギコ猫「いえ、ここに倉庫と書いてあるので……」


スナネコ「文字が読めるなんてかばんみたいですねー」


ギコ猫「かばん?どなたですか?」


ツチノコ「少し前までこの島には、かばんという名前のヒトがいてな……そいつはとにかく凄い奴なんだ。」


話によると、そのかばんという子は相当頭が切れるらしく、パークの危機を救ったりしたそうな。


ギコ猫「あれ?そのかばんという方は今何処に……」


ツチノコ「少し前にこの島を旅立っていった。外の世界にヒトを探しに行ったんだ。」


ギコ猫「外の世界……ですか」


ツチノコ「ああ………ところでスナネコは何処に行ったんだ?」


バリバリバリバリ


ギコ猫「?あの音は一体……」



ツチノコ「アアアアア!何してるんだお前エ!ここは貴重な遺跡だぞオ!」


スナネコ「何って、爪研ぎですよ。ギコ猫もやりますか?」


ギコ猫「い、いえ……実は僕、鋭い爪は持ってないので……」


スナネコ「本当にネコ科なのですかー?」


ギコ猫「僕って一体何なのでしょうか」


ツチノコ「おい、そんなに気を落とすな。

スナネコはその、何と言うかこういう奴なんだ、気にしないでくれるか?」


ギコ猫「いや、そうじゃなくて、ただ単に自分が何者かが気になるだけです。

そうだ、早速倉庫に入りましょう」


ギコ猫は倉庫に入って役に立ちそうな物を集めて戻って来た。


ツチノコ「それ、かばんのやつにそっくりだな」


ギコ猫「色々入りそうだったので」


スナネコ「かばん二号ですねー」



こうして、三人の行き先の無い旅が始まった。

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