質問に答えるもん!

「旅行代理店です。今、フィリピンにいる日本国籍のお客様から、お問い合わせが入っているんですが。お客様、フィリピンに3ヵ月ほど滞在されているんですね。どうやってビザを更新されたんですか?」


 (゜_゜)


 旅行代理店さんから、お電話をいただくことがあります。

 旅行のプロからの質問は、時々、素人の私を試しているのではないかと、勘ぐってしまうことがあります。


 たとえば、先の質問です。


「お客様はフィリピンに入国されてからずっと…、えっと…3ヵ月間滞在されていらっしゃるんですね?」

 私は両肩に重いものを感じながら、代理店の女性へ質問の確認をしました。

「そうですけど」

 代理店の女性は、少々いらついた口調で答えました。

「フィリピンへ出発される前に、フィリピン大使館でビザを取られましたか?それとも、ビザなしで入国されましたか?」

「えっ…。それは、わかりませんけど…」

 代理店の女性は、急に口調が弱気になりました。

「たぶん、ビザなしで、入国されたと思います」

「日本人は、ビザなしで30日間滞在が出来ます。現地の入国管理局で滞在延長の手続きをしていないで、無査証期間が過ぎてから2ヵ月滞在されているってことですか?そうなると、オーバーステイ(不法滞在者)ということになりますが」

 代理店の女性は、黙ってしまいました。

 素人の私の質問に「お客様に確認します」と言って受話器を置くことが出来ない、代理店の女性。意地とプライドをかけて反撃に出ました。


「私のイメージではっ!」


(ノ゜O゜)ノ

どんなイメージ?


「お客様が一時帰国して、日本のフィリピン大使館でビザの延長をすると思ってました(-_-#)!」


 ビザの延長のために帰国するの~っ!!(>_<)


「ビザの延長なら、フィリピンにあるフィリピン入国管理局でできますよ」

「あっ…。あ、あ…、あー。そうです、ね。わーかりましたぁ」

 女性は、早口にしゃべりながら電話を切りました。


 別の旅行代理店の女性に

「マリアのスペル、MA.のドット(.)がチケットに入ってないんですよっ!どうしてくれるんですかっ!」

と、お電話で叱られたことがありました。

 今思うと、この女性は

「チケットにMA.のドットが入っていませんが、パスポートにはドットが入っています。搭乗や入国に問題はありませんか?」

と、聞きたかったのだと思います。あの時は、女性の言いたいことが理解できず、

「航空会社さんに確認してください」

と言って、電話を切ってしまいました。

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