他力本願 苦労ほ~ガーン!
「アドバイスをください」
あー、うー、を交えながら話す日本人男性。電話の声にハリはありません。
「フィリピンで結婚の手続きをしました。でも、まだ、彼女は日本に来れません。まだ、役所が書類を確認しているっことらしいんですが…、向こうで結婚してから、彼女がこっちに来るまで、そんなに時間がかかるのでしょうか?」
男性の声は少し寂しそうでした。
「フィリピンで結婚されたのは、いつですか?」
「1年前です」
私の質問に、男性はゆっくりとした口調で答えました。
「日本から戸籍とか、たくさん書類を持って行き、彼女のいとこに預けました。いとこが市役所に届けを出してると思います」
え?いとこ?
「彼女さんではなく、彼女のいとこさんに書類を預けたんですか?」
「はい。いとこは、日本語が少し、話せるんです。日本が話せない彼女と、英語が話せない私の連絡係なんです」
英語ができないという理由で、フィリピン人婚約者にフィリピンでの婚姻の手続きを丸投げしたという日本人男性の話は、これまで何度も聞きました。ハッピーエンドにならない話ばかりです。
「彼女のいとこ」に婚姻の届け出をさせるとは…(@_@)
「戸籍をね…私の戸籍をね、彼女のいとこに渡したんですよ。だから、いとこが書類を役所に出しているはずなんですよ。でも、役所がね、私が結婚しているかどうかわからないから、調べるのに半年かかるって、彼女のいとこが言ってるんですよ」
男性は、「彼女のいとこ」に彼女の来日予定を何度も確認しているそうですが、その度に、フィリピンの役所が書類を確認しているという返事が来ると、私に説明しました。
私「フィリピンで結婚の手続きをしてから、フィリピンへ行ったことは?」
男「ありません。仕事してるもんで、休みが取れないし、お金もかかるから」
私「フィリピンで結婚の手続きをしてから、直接、彼女と話をしたことは?」
男「彼女からメールもらったけど、何書いてあるかわからなくて。いとこに電話して、彼女のメールを日本語で説明してもらった。いつも、いとこから彼女の様子を聞いているし、自分のことは、いとこから彼女に伝えてもらっている」
この人、誰と結婚するのだろう?
私「あのー、戸籍謄本を彼女のいとこさんに渡されたとのことですが、英語の翻訳も一緒に渡されていますか?」
男「え?そのまま出してくれればいいって、言われたから・・・何も」
私「英語の翻訳もない日本語の戸籍謄本をフィリピンの役所に出したら、役所は、どうやってあなたが独身かどうかを確認するんですか?」
男「・・・」
私「肝心なことを聞き忘れてました。あの〜。いとこさんに、フィリピンの役所で書類を提出したか、確認されましたか?」
男「出してる、はず、です」
私「いつですか?いつ書類を出したと、いとこさんから言われましたか?」
男「…わかりません」
どーしてっ!人生の大切な手続きを人任せにするのだ~っ!(/--)/
「婚約者の方と2人で、フィリピンの日本大使館へ行って、婚姻要件具備証明書を作って、2人でフィリピンで教会や市役所に行って結婚の手続きをしていたら、もっと早く、婚約者の方を日本に呼ぶことが出来たと思いますよ」
しばらくの間、受話器から何も聞こえてきませんでした。
「始めから、手続きが違っていたって、ことですね」
男性は自分に言い聞かせるように、何度も、その言葉を繰り返しました。
自分のことは、できる範囲でいいから自分でやろう。
大事なことは、人任せにせず、自分でやろう。
ということで、婚姻届は自分で出しに行こう、と心に決めました(^^ゞ
誰だっ!笑ったのはっ!(/--)/
私はまだ、諦めてないぞ~っ!結婚(`ε´)
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