第5話 デジタルとアナログ
正雄は、退職後のこの半年間、タブレットで苦戦した。まあ、描けるようになったが肩が凝り隔週でマッサージに行くようになった。タブレットではいろんな色が選べる。筆とかだと色をパレットに出し混ぜて色を出したり出来るが、何故かタブレットは味気ないような気がして次第に使わなくなった。パソコンの方は、仕事でも使っていたので、文章を入力するのは苦にならなかった。絵は少し時間がかかりそうなので、取り敢えず文章を書くことに専念した。
午前中は、年間費を払いスポーツジムに通い、トレーニング機器を使ったり、ジムの周辺を歩いたり。コロナ禍ということもあり妻との旅行も近くの息子の所に1泊で行ったきりである。
四季は、人生で最高に感じることが出来た。桜が舞い散る春。蝉がけたたましく鳴く夏、そして、紅葉が綺麗な秋を越えて、冬を迎えていた。
冬になると正雄は絵本を書くことを目標に決め取り組んでいた。クラウドファンディングで資金調達をして足らない分は自分で払おうと思っていた。来年の4月に発行予定。絵本出版会社との交渉事は仕事柄得意だった。クラウドファンディングも作って承認され始まった。絵本の絵の制作は、今回は諦め、ストーリーとキャラクターデザインに専念することにした。絵はプロのイラストレーターがやってくれる。社会貢献も念頭に置いた自分なりのプロジェクトである。また、多くの人々に協力もしてもらっている。賽は投げられた。よし、まだ自分は出来るはずだと自分に言い聞かせ懸命に取り組んでいる自分がいた。絵本の製作、夢は諦めない……正雄は心に誓った。
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