Step10 日本語難しい

 さぁ今日も話しかけるぞ~!

 「小谷瀬君!今夏は何見る?」

 「今夏ねぇ…何見ようかなぁ」

 「芹沢さんは何見る?」

 「私はねえ!『俺はラブコメ主人公じゃない!』かな私、卑屈な主人公が好きなの」 

 「へ、へぇ、そんなキャラがタイプなんだぁ」

 何故だろう少し嫉妬しているように感じる、か、かか、勘違いしないの私!

 「と、ところで小谷瀬君はどんながタイプなの?」

 な、ななな、な、何てこと聞いているの私。

 「俺は、声が優しくて裏表がない

 「私とか?」

 やばい、つい心の声が漏れてしまった。

 「え、うん」

 ん?今「うん」って言った?待て待て、きっと私の聞き間違いだ、きっとそうだ。

 「「ねぇ!」」

 タイミングが被ってしまった、仲の良い証拠かな?

 「小谷瀬君からいいよ?」

 「芹沢さんからどうぞ?」

 わかった私から言おう。

 

 「あのね、これからも『友達』でいてくれますか?」

少し間をおいて小谷瀬は口を開いた。 

「それ以上の関係にはなれませんか?」

 え、これってまさか…告白?

 「それ以上の関係って?」

 「言葉のまんまだよ」

 「嬉しい…」

 よっぽど嬉しかったのか涙が頬を伝う。

 「それ以上の関係になる!小谷瀬君!」

 「本当?これから『親友』としてよろしくね」

 小谷瀬は嬉しそうに答えた。悪気がないのが無性に腹が立つ。

 「ふん、もう知らない!」

 私は小谷瀬と目を合わせずに答えた。

 「え?」

 小谷瀬は何が何だか分からないようだ。

 「ぷんぷん」

 頬を膨らませて怒るが私だが、それを見て小谷瀬は困り果てた顔をしていた。  

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