Step7.5 デート回


(バレませんように、バレませんように…)

 私はそう思いながらテーブルの下に隠れてしまった。


 「あれ?ソウちゃんじゃん」

 そう言い姫華ひめかは小谷瀬の肩に肘を置き話しかけている。


 「なんだよ、金ならないぞ」

 小谷瀬は彼女にそう話しかけている。


 (ん?金?言ったい何の話?)


 「ってか独り?こんなお洒落なカフェに?」

 そう言い小谷瀬を煽る姫華。


 「いや、芹沢さんと一緒だ、ね?ってあれ?」

 

 「何で隠れてるの?」

 小谷瀬はそう言い机の下を覗き込む。


 「えへへ、ちょっと靴ひも結び直してて」

 小さな嘘をついた。


 「で?だれその女?」

 小谷瀬の彼女でもないのに、そんな台詞が口を出た

 

 「?…従妹だよ」

 私は、理解ができずにポカーンとしていた。

 

 「へー…」

 私をみて姫華は薄ら笑いを浮かべた。

 (嫌な予感がする)


 「ソウちゃんの彼女で~すw」

 姫華は小谷瀬の腕に抱きついた。

 

 「くぁwせdrftgyふじこlp」

 私の叫びは声にならなかった。


 「うそうそ、芹沢ちゃんだっけ?反応面白いね」

  

 「ソウちゃんのこと好きなの?」

 姫華は私に耳打ちで言った。


 耳が真っ赤になるのが自分でも分かった。

 

 「じゃっね、芹沢ちゃん、ソウちゃん~」

 そう言い姫華は去って行った。

 

 「とんだ刺客だったね」

 少し小谷瀬と彼女との関係性を疑いつつある。


 「ごめんねうちの馬鹿が、アイツは従妹だからさ」

 (え?この感じまさか…小谷瀬君も私のこと好きなんじゃ、グヘヘ、ジュルリ、あっ涎が)


 「おーい、芹沢さーん、大丈夫?」

 小谷瀬が心配そうな顔を覗かせる。


 「え、あ、うん平気だよ」

 私は無事を伝え早速本題に入る


 「今期は結構、豊作だよね作画も力入ってるし」

 「そうだね、特にあの『欠片を見つけて』は良き」

 「わかる~、『右には花』は背景凄い綺麗だったし」

 「芹沢さんは誰が好き?」

 「へ?そんなの…小谷瀬君に決まってるじゃん」

 私は小声でそう伝えた、もう伝わっても良い思いで口に出した。

 「ん?なんか言った?」 

 小谷瀬には伝わらなかったようだ。


 「この難聴系男子めがぁぁああ!!」

 私は立ち上がり叫んでしまった。


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