Step4 メインヒロインは私!
今日から高校生活初授業ということで多少の緊張を抱え挑む。
「で、あるからして、この時の主人公の心情は…」
得意気に解説する国語の山田。
(心が読めたらどれほど楽か…)
そんなこと脳内で愚痴ってしまう。
「それで、こうなるのです!」
そう言うと山田は黒板の右半分を消してしまったのだ。
(やば、写してない…あ、小谷瀬君に見せてもらおう)
「おい、芹沢、お前なにニヤケてるんだ?」
どうやら、私の顔は溶けていたらしく、山田はかなりご立腹のようだ。
「え、その、この
ん?私また失言した?
「分かるぞ~芹沢この話はな、とにかく主人公がカッコいいんだよ……」
そこからは先生のこの物語に対する主人公の感想で終わってしまった。
(さ、小谷瀬君にノート写させてもらうぞ!)
「小谷瀬君!ね、さっきのノート見せて、先生が黒板消すの早くてさぁ写せてないんだよね~」
「うん良いよ」
小谷瀬はそう言って綺麗な赤色のノートをこちらに渡してきた。
「あ、ありがとう」
私はそう言ってノートを借り、早速写し始めた。
(お~流石小谷瀬君だな凄く綺麗にノートとってる)
「ありがとね小谷瀬君!」
写し終えた私は、満面の笑みで話しかけノートを返す。
「それと、字綺麗だね」
私はさっきの笑みを崩さず言った。
「ありがとな!」
小谷瀬もお返しと言わんばかりの笑みで応戦する。
「あ、それとLane交換しない?」
Laneは無料の通話アプリでコミュニケーションに特化しているのが特徴だ。
「うんいいよ、じゃあお昼ね」
私たちの学校は、昼休み以外の携帯電話の使用は不可のため昼休みに交換の約束をする。
(待てよ、あわよくばご飯一緒に食べれるのでは?)
Step4 メインヒロインは私! 終了
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