第9話

あたりの草が揺れる。


「........?」


なんなんだこいつら。........石?


「石だよ。でもね、魔石なの。」


なんで魔石が動けるんだ?それに、体内にあったものとは思えないほど大きい。


「亡くなった魔物の魔石が、集まって大きくなるの。魔物の魂が集まって、その魔石に乗り移るの。だから、意思もあるし、恨みもある。愛情もあるの。」


ただの石が動いてるわけじゃないんだな........。魔物にも愛情とかってあるんだな。


「グルル!」


ルビー達が威嚇している。そろっと襲いかかってきそうだぜ........俺にできることはあんのか?


「うん。神石吸収したあなたなら、あれは倒せるよ。だから、自分で頑張って。なんかあったら私がどうにかするね。」


ほんとか?ルビー達にいじめに近い仕打ちを受けたからな........それに、強くなった実感がない。


「大丈夫だから、ほら、行って。」


彼女に背中を押される。俺は前につんのめって転びそうになったが、なんとバランスをとり、立て直した。


「........!」


目を上げた先には、大きな魔石がどしどしいいながら、跳んでいるのが見えた。おいおい、ぜってぇ無理だろ。


「ギャァォァ」

「!?」


どっから出してんだよその声。お前石だろ?


「ギャァオオオ」


俺めがけて突進してきた。はやぇ。俺はすぐに左へ飛んだ。だが、避けきれねぇ。


「ギャオ........」


........あ?いや、おかしいだろ。俺にぶつかっただけで砕けたんだが。相当脆いのか?


「違うよ。あなたが硬くなったの。魔石は人間の骨も粉々に砕けるくらい硬いの。」


マジか?神石吸収すげぇ........

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