第7話

暇だ。非常に俺は暇だ。彼女の家に来てから、数十日経ったが、ほとんど家の周りでペット達と戯れていただけだ。確かに、ルビー達と遊ぶのは楽しい、だが、同じこと続けると、新鮮さがロストするんだよな。そこら辺に散らばってる本でも読もうと思ったが、文字がわからねぇから読めねぇしよ。........暇だ。


「........?」


階段を登ってくる音がするな。彼女なのだろうな。


「これからおっきな国に行くから、着いてきて。」


おぉ。これで暇から解放される。........てか俺って入れんのか?骨だぜ?


「大丈夫。召喚獣や、人工的に作り出された生命体は、神石があるの。それで分かるようになってるの。あなたには、その紅い石があるでしょ。」


この胸の紅い石か。........じゃ、ルビー達はどうなんだ?だって、あいつら野生だったろ?


「あの子達は、わたしと契約して、仲間になったから大丈夫。野生の生き物........魔物には魔石があって、魔石には黒いオーラがあるの。それで見分けてるの。契約すると、浄化されて魔物じゃ無くなるの。」


契約か。........当たり前だな、魔物にも自己があるんだもんな........そう考えると、無理やりボールに入れようとする奴らは相手のこと考えてねぇよな。


「あとね、魔石はお金になるから、みんな魔物を退治するの。魔石が大きければ大きいほど、高く売れるの。」


なるほどな。てか、話がズレすぎた。


「........!」

「分かったよ。ルビー達と待っててね。準備してくる。」


彼女はすたすたと階段を降りていく。俺もなんか準備するか。


「........」


とりあえず手を天に向け、伸びをした。骨がゴキゴキいったが、痛みはない。ほんとにありがてぇよな。だってよ、腕取れても、骨砕けても動けるんだぜ。


「........!」


部屋の隅に紅く光る石を見つけた。気になるな。


「........?」


俺が近づくと、石が光りだした。なんだ?


「........!!」


石が眩い光を放ち、消え去った。なんだったんだ?怖ぇな。


「なんか光った気がしたけど、大丈夫?」

「........?」


彼女にあったことを伝えた。


「同化したの。神石は、別名進化の秘石って呼ばれてるの。同じような性質の神石は呼応して、同化するの。」


なるほどな。同化したらどうなんだ?


「石だけの場合は、ただ大きくなるだけなんだけど、片方の石が生命体にある場合は、その生命体に変化をもたらすの。」


変化か........俺、なんか変わったか?全身をくまなく見た。どこま変わってねぇよな?


「変わってるよ。前より神石の力が増してる。」


増したらどうなんだ?変化でもなんでもなくねぇか?


「ん........後ででいい?時間に間に合わないの。」


まぁ、今すぐ聞かなくてもいいか。


「わたし準備終わったから、もう行けるの。あなたも大丈夫?」

「........!」


大きく骨を震わせた。ぷるぷるとはならなかったが、気持ちは伝わっただろう。


「じゃ、行こう。」


彼女はすっと俺の手に触った。軽く目を閉じると、既に玄関の先にいた。これがテレポートか。ストレスフリーだな。


「あなたたち、行くよ。」

「ガルル!」


こんなに連れてって目立たねぇのか?


「目立ってもいいの。何とかなるの。」


そっか。意外と大雑把なんだな。


「クウは待っててね。」

「クルル〜」


わんこの名前はクウって言うんだな。


「よし、みんな行こう。」


彼女の言葉で、みんな歩き出した。

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