第6話

家に着くと、案の定わんこが出迎えてくれた。


「ん。ただいま。この子達と仲良くしてね。」


彼女は言い聞かせるように言った。


「わん!」


結構高めな声だ。キャンキャン言ってるのとはまた違う、高さだ。


「ガルゥ!」


彼女のわんこと仲良くしたいのか、嬉しそうな声を上げてるな。ルビーたち。


「じゃ。家の中入ってね。」


俺の手を引き、家の中へ入る。


「........?」


至る所に、ホルマリン漬けのようなものが、沢山置いてある。


「それはね、今までの研究の成果なの。何に使うかは、また後でね。」


俺の思考を読み取って、すぐに答えてくれた。


「あなたは、今日からここに住むの。ここの部屋使ってね。」


木の階段を登った先の、ロフトのような場所だ。高さは3mくらいあり、広さも大人が10人寝ても余るほど広い部屋だな。


「........」

「どういたしまして。なんかあったら、強く、んってしてね。」


お礼はちゃんと言わねぇと。んってどうすればいいのかは分からねぇが、雰囲気でいいだろう。


「じゃ。わたしはあっち行ってるね。」


そう言うと、彼女は階段を降り、自分の部屋であろう場所まで小走りで行った。


「........」


だいぶ落ち着いたな。とりあえず、頭の整理をしといた方がいいな。


「........」


とりあえず、俺は死んだ。んで、何故か知らねぇが骨として生まれ変わったと。しかも、動ける。


「........?」


骨が動くっておかしいな。この胸にある石のおかげってのは予想つくが、原理がわかんねぇ。なんで痛み感じない上に、手が飛ばせんだよ。わけわかめ。


「........!」


魔法か?いや、研究が進んで、いよいよ操れるようになったのか?


「........?」


そもそも地球なのか?........分からねぇ。整理どころか、こんがらがってきたぜ。


「........!」


イライラしたから、手を飛ばした。痛みはやっぱり感じねぇ。だが、関節が外れる感覚はある。


「どうしたの?」


彼女が目の前に現れた。


「!」

「ごめんね。急に手を飛ばしたから、敵襲かと思ったの。」


音はなってねぇはずだ。手はふかふかの毛布の上に向けて飛ばした。........一定範囲内だと、行動も把握できるのか?


「わたしが召喚した子は、遠くでも思考は読み取れるし、わたしの能力圏内だったら、何したかもわかるの。」


なるほど。監視されてるみてぇなもんか。狭っ苦しい。


「大丈夫。わたしは、あなたの質問とか、そういうのしか受け取らないようにしてるから。いやらしいこととかはわたしには伝わらない。」


そうなのか。........いやらしいこと?幼女に恋愛感情抱くわけねぇだろ。ロリコンじゃねえんだからよ。


「ロリコン?」

「........」


説明した方がいいのか?........これで伝わったか?


「なるほど。わたしを彼女にしてもいいんだよ?」


眼を輝かせながら、じっとこちらを見つめてくる。........俺、ロリコンだったけ?


「わたし、しないといけないことあるから、あっち行くね。」


彼女は戻っていった。テレポート的なことはしなかった。


「........」


前の生活より、今の方が楽しいぜ。

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