第2話 結晶

野田 健也(のだ けんや)は、自分の体を動かした後すぐさま携帯を取り出した。


「えーと、あぁぁー、警察って何番だっけ?」


健也は簡単な警察の番号おも忘れるほど慌てていた。だから、番号の書いてあるボタンを思い出すまで押した。


「あっ、110!」


思い出したとたん手が止まった


(まてよ、これを警察に行ったら俺はどうなる?事情を言っても信じてもらえるのか?)


そう思った健也は携帯を近くのテーブルに置き洗面所に行った。母の血で染まった服を洗いたかったのだろう。いや、見たくなかっただけかも知れない。

洗面所に行った時、鏡に自分が映っていた。


「ウワァッ!!」


若いながら、腰が抜けそうになる程驚いた。それは、自分の血だらけな姿を見たというのもあるが、一番の理由は、左目がまるで宝石のような、結晶のような形をしていたからだ。恐る恐るその左目に触れてみた。すると、


(それは俺の目だ。勝手に触んじゃねーよ)


頭の中で声が聞こえた。その瞬間背中から羽根が生えてきた。


「なっ、なんじゃぁーこりゃー!」


また、いや、さっきより驚いてひっくり返ってしまった。すると羽根が動き、窓ガラスを突き破り近くの山に数分でついてしまった。


「なんだっ?お前は誰だっ!」


さらに慌てだした。


(だれって…、誰でもねーし、名前もねーよ。)


「はぁ?意味わかんねー。」


「まさか、お前が俺のことを操って母さんを殺したのか?」


怒りが徐々に強くなる。


(そうだけど、なんだよ?俺を殺すのか?)


得体の知れない何かが舐めた口で言ってくる。


「もちろんだ!ぜってー殺してやる!!どこだっ!どこにあるっ?」


怒りがさらに強くなる。


(お前の心臓)


「よし、じゃぁ、い、ま、す、ぐ…、てっ、えぇ!俺の心臓って、はっ?」


慌てふためく健也に得体の知れない何かが言う。


(俺は、はやぶさの力を宿してあるクリスタル。まぁ、お前も、もうあんまり変わんないけどな。)


「どういうことだよ?」

強い口調できいてくる。


(俺たちクリスタルには大きく分けて2種類ある。一つが〔ライフクリスタル〕意識や自我を持ったクリスタル、まぁ、つまり、生命体だ。そして、もう一つが〔ペリフェラルクリスタル〕これは意思を伝えるものまぁ、神経見たいなもんだな、これで肉体を自由に変えられる。)


「それがお前のトリセツか。で、殺し方はあんのかよ💢」


(あるぜ!お前が死ねばいい)


とぼけたように言うクリスタル。


「俺が死ぬ⁈なんでっ?」


(俺はお前の体を奪おうとしたが無理だったしかし体内に入ったからもう出られない。つまり、かこれからは共存していく必要がある。理由は簡単、どちらかが死んだら、もう一方も死ぬからだ。)


「なるほど。ん〜〜…。まぁ、納得した。けど、なんでどちらかが死んだら、もう一方も死ぬんだよ?」


納得したと言ったがあまり理解できなかったみたいでちょっとだけ首を傾げている。するとクリスタルが答える。


(俺はお前の養分で生きている。お前は俺が心臓を動かしてるおかげで生きてる。そう言うことだ。)


「てことは、これからはずっと一緒にこの山の中で暮らすのか?てか、お前はどっからきて、なんで俺の母を殺した?」


手のひらに爪を立ててきく。


(俺たちは、800年前のイスラム錬金術によって生まれたクリスタル。彼らがこの世の生物で好んだ生き物の魂をクリスタルに入れた。そして、それらのエネルギー源は欲。食欲、睡眠欲、性欲、どれを食すかは種類によって違う。俺ら鳥類は食欲だ。)


健也はビクッとした。


「俺らって…。前ら以外に同じような奴らがいんのかよ!」


(いっぱいいるさ!全部で28種。)


「28種⁈」


(鳥類とホニュウ類は食欲を満たして人のエネルギーを〔ペリフェラルクリスタル〕に変える。魚類と両生類は睡眠欲を人から奪い少しずつ生命エネルギーを〔ペリフェラルクリスタル〕に変える。爬虫類と昆虫は人の性欲を満たして少しずつ弱らせ生命エネルギーを吸収し〔ペリフェラルクリスタル〕を得る。皆、他の奴らの〔ライフクリスタル〕を狙ってる。)


健也は頭の中で整理しているが理解できない。


「だから、お前は俺の母さんを…。まさか、あの殺人事件も!!」


さらに怒りがこみ上げる。


(はぁ?なんのことだよ。俺が食ったのはあの女だけ…)


ざわめく空気が漂う…。


(下がれっ!)


慌てているのか、早口で言う。すると、人が飛んできた。両目が健也の左目のような二十代くらいの女性だった。また、健也と同じように翼が生えていたが形が違う。


「こいつって、もしかして!」


ビビりながら後ずさりする健也。しかし、クリスタルが足を止めて健也の口を使って言う。


「お前、俺のライフ〔ライフクリスタル〕を取りにきたのかよ!コウモリ!」


健也は喋れない中1人で考える。


(コウモリ?こいつはコウモリのクリスタルに飲み込まれた女性ってことか?)


飲み込まれた女性がいう。


「何強がってんのよ!あなた、飲み込めなかったんでしょ!ひとを。そんなんじゃ本来の力は出せない。哀れね〜。負けは確定してるのにまだ戦うの?」


イラついてるのが内側からだととてもわかる。すると、脳にある健也の意思に直接話し出した。


(これはお前の体だから少ししか持たない、俺が操れなくなったら、飛ぶのは俺がどうにかするからお前が殺せ!)


そういって、目線を上げ


「そのクリスタル、俺がいただく!」


と言い、相手に向かっていった。



To Be Continued



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LIFE CRYSTAL ピザくん @pizaii25648

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