第1部 追憶
1
まりえと別れてからおよそ三年が経過した。
随分と時間が経ったものだと直斗は思う。初めて出会ったのが、あれは確か高校一年生の春だったから、そこから数えればもう五年だ。
直斗はあの日からずっとまりえとは連絡を取っていなかった。地元に帰省した時に偶然出会す事もない。だからもう直斗にとって過去の人である事に違いはなかった。
それでも尚、たまにこうしてまりえの事を思い出すのは、きっと昨日見た夢のせいだ。かつて自分にとって本当に大切だった何かを、暗い沼の底に落としてしまう夢。泣きたいくらいの切実さで、今はもう手の届かぬ何か失っていく夢。それは端的に悪夢だった。
しかし、そこまでの後悔を背負い続けながらも、時間と共にまりえの顔を思い出すのが遅くなっているのも事実だった。どれだけ過去に思いを馳せようと、それでも日々は加速していく。直斗には今やらなければならない課題が山のようにある。ゼミ、部活、インターン。大学三回生というのは四回生のように就活が忙しいわけではない故に、様々な種類の多忙さを処理していかなければならないのだ。
それにある意味では、多忙さは直斗にとって救いでもあった。何かに集中している時は嫌な事を忘れられる。かつて芥川龍之介が残した『我々を恋愛から救うものは理性よりも多忙である』という言葉は真実であると直斗は思う。
そこまで考えたところで、何を今更こんな事を、と直斗は自嘲気味に笑った。ポケットに入れていた煙草に火をつける。少し甘いセブンスター特有の香ばしさが肺に広がった。吐き出した紫煙は九月の空気に溶けていく。
夏が終わり、日々少しずつ秋が深まっていくこの時期が直斗は好きだった。一日単位で風が涼しくなっていく。直斗が住んでいる学生寮の四階にはよく風が通り、少しではあるが和歌山の夜景が見える。物思いに耽りたい時は、こうしてベランダで煙草を吸うのが習慣であった。
一本目の煙草を吸い終わると一度部屋に戻ってジュースを持ってきてから、再び直斗は煙草に火を付けた。今夜は何だか寝たくない気分だった。それはもしかすると、またあの夢を見るのが嫌だったのかもしれない。それとも逆説的ではありながら、まりえの事を思い出したかったのかもしれない。どちらにせよ論理的には説明し難い感情が直斗の中に渦巻いていた。しかし、こういった時の気持ちがあながち嫌いでもないところが厄介だ。考える事は好きだ。その対象が例え良くても悪くても。思考する事は自分を高めていく行為のように直斗は思う。
優しく、そして大きく煙を吐いた。
(まりえは今も元気にしているだろうか……)
夢の時とは違い、今はとても穏やかな気持ちで直斗はそう思う。
伝えたい事が一つだけあった。それはとてもシンプルで偽りのない言葉だ。たった一言なのに、それなのに言えなかった言葉。
かけがえのない親友を失った痛みを、まるであの頃のままに有り有りと直斗は思い出す事が出来た。
2
三井直斗と佐々木まりえが初めて出会ったのは三重県立伊勢高等学校の入学日だった。体育館での入学式を終え、一年二組の教室でクラス全員の自己紹介の時に初めてお互いの存在を知った。その時の挨拶は、直斗は小・中とサッカーをしてきたので高校でもサッカー部に入るつもりだという事、親と趣味で油絵を描いているという事を言った。一方まりえは、高校ではソフトテニス部に入るつもりであるという事、人見知りはしないのでみんなたくさん喋ろうね、という事を言っていた。その時はお互いに大して意識もしていなかった。単純にクラスメートという関係で、学校で会話はしても個人的に連絡を取り合う仲ではなかった。
二人が近付くきっかけはサッカー部の先輩だった。高校一年生の七月、夏休みが始まる前の出来事だった。その日は一学期の期末試験の最終日で、全校生徒が皆これから始まる夏休みに浮き足立っていた。最後のテストが終わり、担任から夏休みの課題や注意事項を聞いた後に終礼すると、教室中が夏休みの喧騒に包まれた。
そんな時に直斗のサッカー部の先輩、二年生の吉村涼太が教室に入ってきた。吉村は直斗を見つけると手招きで教卓に呼び寄せた。
「先輩どうかしたんですか?」
直斗は吉村の所に駆け寄った。今日は部活はオフの日だ。夏の大会に向けて自主練の誘いだろうか。
「いやーまぁな。俺にも色々あってだな」
吉村は表情を少しニヤけさせながらそう言った。何だか歯切れの悪いその言い様に直斗も笑ってしまった。この顔は絶対に自主練の誘いではない。
「これから夏休みだろ? 来年は受験勉強が始まるから遊べるのは今年だけだと」
「そうですね」
「だから今のうちに後輩の女の子と仲良くなっておこうと思ってだな」
「不純ですねー」
直斗は笑いながらそう言った。しかしこういう青春だとか女子に対する潔い吉村の姿勢が直斗は好きだった。先輩はこのくらいのゲスさがあって丁度いい。
「でも先輩、どうやって仲良くなるんですか? 僕紹介出来るほど仲良い女友達いないですよ」
「大丈夫。方法は考えてある」
吉村はそう言うと、白色のチョークを手に取り黒板に何かを書き出した。
『2ー1 吉村涼太 ryota-1204@xxxx.ne.jp 女の子求む!』
吉村は自分の連絡先を晒すという何とも大胆な行動に出た。こんな方法で女子と仲良くなれるのか、そもそも知り合えるのかが直斗は疑問だったが、先輩に対して追求はしなかった。そして案の定黒板に書かれたこの突然の連絡先に対してアクションを起こす女子はなかなか現れなかった。五分、十分と無情にも時間だけが過ぎていく。
そんな時、まりえが直斗に声をかけて来た。スクールバッグを肩に下げ、友達と教室を出ようとしていた。
「直斗、それ何してるの?」
「あ、まりえ。先輩が誰か女子を紹介してくれってさ」
「そうなんだ。あ、直斗の先輩ですね。初めまして」
「おう、どうも」
吉村とまりえはお互いに浅くお辞儀を交わした。
「良い子が見つかるといいね。じゃあバイバイ」
まりえはそう言って友達と一緒に教室を出て行った。吉村はその背中をしばらく見つめていた。直斗はそろそろ帰ろうと自分の席に戻ってスクールバッグを手に取る。教科書が大量に入っているのでかなり重い。直斗は教卓に立ったままの吉村に声をかける。
「先輩残念ですけどそろそろ帰りましょう」
「直斗、あの子可愛いな」
「まりえの事ですか?」
「まりえちゃんか……。あの子紹介してくれよ」
「いいですけど、個人的に連絡取るほどじゃないんですよ。先輩が連絡先交換したがってるって言う事くらいは出来ますけど」
「それでいい。よろしく頼むな」
吉村は直斗の背中をポンポンと叩き、直斗は分かりましたと答えた。そして二人で教室を後にした。
今にして思えば、これが全ての始まりだった。吉村とまりえの引き合わせ、そして直斗とまりえの関係の変化。この頃、良くも悪くも三人共がまだまだ子供であったという事を五年後の直斗は知っている。自分以外の誰かを幸せにするには現実的な力が足りなかった。それを知っているからこそ、直斗は今もどかしく思う。
その後、直斗はまりえと仲の良い男友達を通して彼女の連絡先を聞き、吉村に中継した。それまで全く関わりのなかった上級生を紹介される事について、まりえは思いの外すんなりと了承した。やはり女子高生の年頃は特に年上の男性に魅力を感じるのだろうか。紹介の話を聞いた時のまりえはまんざらでもない表情をしていた。そもそもまりえはサバサバと明るい性格でクラスの女子の中心的存在だ。ミディアムロングの少し茶色がかった綺麗な髪に容姿も良く、かなり目立つ。あの子可愛いよな、と同級生ではもちろん上級生の間でも噂されていても不思議ではない。そんなまりえの事だから、中学生の頃にも同じような経験があるのかもしれない。吉村に関しても、若干のチャラさは否めないもののスポーツマンらしい体格と風貌、そしてルックスを持っている。見た目や雰囲気だけで言えば二人はお似合いだと直斗は思った。
吉村とまりえの仲介役となった事で、直斗は二人から度々相談を受けるようになった。主に吉村からは部活の時に、まりえからは教室、そしてメールで相談に乗った。相談役、異性の友達という関係で直斗とまりえの距離はこの頃から近付いていった。
そして吉村とまりえの関係は概ね順調のように見えた。夏休みの間、二人は頻繁に連絡を取り合い、八月の後半には伊勢神宮で行われる夏祭りでのデートが決まった。一見すれば二人が付き合うのは時間の問題だった。吉村はしばしば直人に対して、自分はまりえからどう思われているのかと訊いて来た。まりえは吉村の事を好きだとは一度も言わなかったので、直斗はいつも微妙な言葉で躱していたが、内心では吉村への気持ちはあるだろうと考えていた。
連絡先を交換してからおよそ一ヶ月後の八月二十五日、夏祭りの当日がやって来た。その日は朝からまるで夏の象徴のような快晴で、天気予報でも一日中雨は降らないとの事だった。家にいてもけたたましい程のセミの鳴き声が聞こえていた。窓を開けて網戸だけの状態にしていると、夏の風が白いレースカーテンを優しく揺らした。そんな中、直斗は母と二つ上の兄の三人で昼食にそうめんを食べていた。当時高校三年生の兄と一緒にいると、この時期はよく母と進路の話になった。母は毎日のように兄に対して「勉強はちゃんとしてるの?」だとか、「大学の事考えておきなさいよ」と言っていた。兄はそんなに勉強熱心なタイプではなかったから、母のこれらの言葉はきっと苦痛に感じていたに違いない。詳しい事は当時何も聞かなかったけれど、兄は兄で自分なりにやりたい事があったと直斗は思う。一方の直斗は部活も勉強も中学の時からそれなりにこなしていた為、母からとやかく言われる事はなかった。伊勢高校も三重県では上位の公立高校だ。具体的な進学先はまだ決めていなかったが、母には関西の国立大学を目指していると適当に伝えていた。
午後五時過ぎ、直斗はリビングでテレビを見ながら寛いでいた。日差しはまだまだ強かったが、正午に比べると幾分暑さは和らいだように感じる。すると吉村からメールが届いた。直斗は眠たげな身体をソファーから起こして携帯を開いた。メールの内容は今日の夏祭りについてだった。
『今日の夏祭りでまりえに告白してくる! ダメだったら俺の骨を拾ってくれ!(笑)』
何とも吉村らしいメール内容だった。初めの内はまりえちゃんと呼んでいたが、今ではもう呼び捨てにしている。まりえも吉村の事は直斗と同じで先輩と呼んでいる。二人の仲は結構深まっているはずだから、きっと大丈夫だろう。大きく失敗する要素は見当たらない。直斗はすぐに吉村に返信した。
『先輩ならきっと大丈夫です! 結果報告楽しみにしていますね』
五分後、吉村から『任せておけ!』と返事が来た。
しかし、結果から言えば、吉村の告白は成功とも失敗とも言えない形で終わった。夏祭りの次の日の練習で、直斗は吉村から昨日の話を訊いた。まりえは吉村の告白への応えを一旦保留にしたというのだ。直斗としてはこの結末は意外だった。まりえはあまり口には出さないまでも、吉村の事が好きだと思っていた。吉村としても、内心成功すると思っていただけに少しショックを受けたようだった。
「だけどまぁ、まだ振られてないだけマシだな」
吉村はなるべく明るくそう振る舞った。
「そうですね、成功するかもしれませんし。まりえの返事はいつ頃になりそうですか?」
「正確には聞いてないけど、なるべく早くに返事をするとは言ってたな」
「そうですか。俺からまりえに何か訊いておきましょうか?」
「ありがとう。でもそれはいいよ」
「分かりました。まりえが何か言っていたら先輩に伝えますね」
少し心配そうな吉村に対して、直斗は気の利いた言葉をかける事が出来なかった。まりえが本当のところはどう思っているのかを、直斗自身よく分からなかったからだ。
そして六日後の九月一日から二学期が始まった。まだまだ昼間の残暑は厳しいが、徐々に日は短くなっている。部活に明け暮れた直人の肌はこんがりと焼け、暑い夏を乗り切った事を証明していた。他のクラスメート達も久しぶりに会う友達と夏休みの思い出話に華を咲かせている。およそ一ヶ月ぶりの一年二組は何だかとても懐かしく、みんなどこか浮かれていた。まりえも出席しており、女友達と会話していた。夏祭りでの吉村との一件を直斗は本人に訊きたかったが、何だかそれは憚られた。楽しそうに話しているその姿からは、吉村の事で悩んでいるようには見えない。しばらくしてから担任が教室に入って来て、これから始まる始業式の説明を始めた。結局この日、まりえに話しかける事が出来なかった。まりえから直斗に声をかける事もなかった。
始業式から三日後、直斗とまりえはお互い夏祭りの話題には触れず、普段の関係に戻っていた。教室では席が近かったので会話も多かった。休み明けテストはどうだったとか、模試や部活の話、他愛のない普通の会話を交わした。普段の掛け合いの中で特に違和感も見当たらない。何だか本当に先輩は夏祭りで告白したのかと疑問に思う程だった。
事が動いたのはその日の放課後だった。六限目の授業が終わるとまりえから直斗に話しかけて来た。
「直斗、今日これから空いてる?」
まりえは神妙な面持ちだった。具体的に何も訊かずとも、それが吉村絡みの話であると直斗は直感的に理解した。茶化す事なく直斗はそれに答える。
「部活があるけど、今日はウエイトの日だから早めに終わる。多分六時半には帰れると思うよ」
「分かった。じゃあ終わったら連絡して。それまで適当に時間潰してるから」
まりえはそう言うとスクールバッグを持って、すぐに一人で教室を出て行った。時計は十六時を少し回っている。約束の時間までは二時間以上ある。まりえは一度家に帰るのかもしれない。まりえの姿が見えなくなってから、直斗はクラスのサッカー部の友達と部室へと向かった。その日の部活にはあまり身が入らなかった。
十八時十五分、ウエイトルームの片付けを終わらせてから、直斗はまりえにメールを送った。集合場所は学校の近くにある河川敷の東屋。学校からは徒歩十分程の距離だ。時間は十八時四十五分としていたが、直斗は早めに向かう事にした。
西の空に浮かぶ夕陽はすでに夜の始まりへと傾いていた。人々の活動が穏やかになり、それぞれの人がそれぞれの場所に帰って行く時間。橙色が包み込む世界の色が徐々に小さくなっていく。直斗の足元には長い影が出来ていた。一人で河川敷に向かって歩いていると、ふと直斗は寂しい気持ちになった。はっきりとした理由は分からない。でも時々こういう気持ちに襲われる時がある。高校に入ってからは特にそうだ。夕暮れは夜よりも寂しいと、理由もなく直斗はそう思う。しかし、何だか今日の自分は自分らしくないような気がした。きっとこの妙にノスタルジックな雰囲気に当てられたせいだろう。そんな事を思いながら、直斗はまりえとの約束の場所へと向かった。
直斗が東屋の近くまで来ると、まりえはすでに到着していた。丸太のベンチに座り夕陽に輝く大きな川を眺めていた。制服のままという事は、もしかするとずっとそこで待っていたのかもしれない。「よお」と声をかけてから直斗も隣に腰掛けて、その川を眺めた。河川敷では小学生くらいの男の子達が十人程でサッカーをしていた。楽しそうな声がここまで聞こえてくる。夕陽と川と子供達、その光景はまるで一枚の写真のように完璧な調和を持ってそこに存在した。儚さにも似た美しさがそこにはあった。
しばらくしても隣で何も言い出さないまりえに代わって、直斗から口を開いた。
「で、今日はどうした」
「……ありがとう、来てくれて。相談したい事があったからさ」
「分かってる。先輩の事だろ? お前学校ではその事について何も話さないから逆に心配だったよ」
「先輩から告白の事聞いてるよね」
「ああ。一旦保留にしてるって事も聞いてる」
直斗がそう言うと、張り詰めた緊張を解くかのようにまりえは一度深呼吸をし、脚をぷらぷらと揺らした。少しだけいつものまりえに戻ったように見えた。
「私、迷ってるんだ。先輩への応えをどうするか」
「俺はてっきり即答で付き合うと思ってたよ」
「どうして? 直斗に先輩の事好きだって一度も言ってないでしょ?」
「そうだけど、一緒に夏祭りに行くくらいだからさ」
「それは直斗が単純過ぎ。女子は結構複雑なんだよ」
「そんなものかね」と直斗は言う。
「そんなものだよ」とまりえは答えた。
二人の間に優しい夕暮れの風が通り抜ける。それは昼間とは違う涼しくて心地良い風だった。まりえとのこういう会話が直斗は好きだった。お互いに必要以上には飾らない。学校ではバカな事で笑い合い、ふざけた事ばかりしているけれど、お互いに適切な距離を知っている。余計な言葉で相手に踏み込まない。だから少ない言葉で通じ合う。出会ってまだ半年だったが、直人はまりえに対して友達として特別な感情を抱いていた。それはきっとまりえの方も、と直斗は感じている。
いつの間にか河川敷で遊んでいた子供達はいなくなっていた。直斗とまりえ以外に近くに人は誰もいない。草花を揺らす風の音だけが聞こえていた。
「それで私どうすればいいのかな」
「どうすればって……先輩の事好きじゃないのかよ」
「良い人だとは思う。面白いし、私の事引っ張ってくれる。サッカーしてる姿もカッコいいよね。まさに高校の先輩って感じ」
「そんな人から告白されるなんて贅沢な話だと俺は思うけどな。一回付き合ってみればいいだろ」
「やっぱり……直斗はそう思うんだ」
「まぁ普通な。それとも他に気になるやつでもいるのか?」
直斗は隣に座っているまりえの方を向いてそう言った。何気なく発した一言だった。しかしまりえからの返答には一瞬の間が空いた。その一瞬が何を意味しているのか、その時の直斗には分からなかった。夕陽に照らされたまりえの顔は前髪で影を作り、その表情を隠している。
「まりえ?」と直斗が言うと、「それはないない、いるわけないじゃん」といつものまりえが顔の前で手を振りながらそう答えた。
「そっか」
「うん、でも何か楽になった。後は自分でもう少し考えてみる」
まりえは笑いながら言った。
「了解、答えが出たらまた教えてくれ」
「分かった。今日は来てくれてありがとう。それじゃあまた学校で」
まりえはベンチから腰を上げ、スカートの裾を軽く叩いてから東屋を出た。直斗もスクールバッグと部活用のカバンを持ってまりえに続く。最後にバイバイと手を振って二人は別れた。気付けば、夕陽は地平線ギリギリまで沈んでいた。
二日後、直斗は吉村からまりえとの交際が始まったという話を聞いた。まりえは一度もその事を自分から直斗には話さなかった。
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