プロローグ とある魔王のおはなし
むかーし、むかし。
というほどでもないほどのむかし。
ぐたいてきには、いちねんほどまえのむかし。
あるところに、まかいのいなかからでてきたばかりのまおうがいました。
「わがなはまおうムスペルバルム!!」
あんうん、いなずま、まおうじょう。いつのひか、なのりをあげるをゆめにみる。
しんまいまおうのほんみょうは、ポチール・ポッチーナといいました。
(ムスペルバルムはげいめい、もとい、まおうとしてのしんめいです。)
まんまるおめめにぎざぎざのくち、うすっぺらいかげみたいなすがた。てんせいしたてのからだには、いげんはあまりありません。
けれどもにんげんかいにやってきたポチまおうはげんきいっぱいゆめいっぱい。ここレガリアたいりくで、まおうとしてひとはたあげるためにおおはりきりです。
ようし、まずはおひめさまをさらってこよう!
だだあがりのテンションで、さいしょにきめたもくひょうがそれでした。
すうじつご。
とあるくににめをつけたポチまおうは、かわいらしいびんせんにきれいな
ないようをようやくすると、
風にそよぐ木々の緑もまぶしい季節、皆様にはいよいよご
魔王ムスペルバルムより
つうしんきょういくでつちかったまおうとしてのれいぎさほうをいかんなくはっきしてかきあげたおてがみを、かいドラゴンのミケにもたせ、めざせおひめさまのいるくにへ。
そわそわしながらまつことしばし、ミケがおへんじをくわえてもどってきました。
ないようをようやくすれば、
よろこんで。おまちしております。
まいあがったポチまおうですが、はやるきもちをおさえて、こまかなにちじと、とうじつのしゅうげきよていをしたため、ふたたびミケにもたせます。
かえってきたおへんじは、
もんだいありません。とうじつをたのしみにしております。
いよいよそのひがやってきました。
まおうとしてのさほうにのっとり、ポチはミケにめいれいをくだしました。
おひめさまを、さらってこい!
ひとこえないて、ミケはおそらにとんでいきました。
そして、かえってきませんでした。
しょうがないので、ポチまおうはおそらをひゅーととんで、もくてきのおしろまでやってきました。
わがなはまおうムスッ、ぺるっ、。あの、ポチールともうします。ほんみょうです。
てれがのこっているうちはまだまだでした。
もんばんのへいしはまおうをえがおでむかえました。
おまちしておりました。ひめおうこくへようこそ。
こちらへ、ひめがおまちです。
へいしさんにあんないされて、ポチまおうはおしろのなかへ。
やがておおきなとびらのまえで、へいしはあしをとめました。
とびらのさゆうにたつへいしたちが、ゆっくりとおおきなとびらをおしあけました。
ひらききったとびらのおと、さいごにかさねるようにして、あんないしてくれたへいしさんがそろりとこえをかけました。
ゆうきがありますね。
すなおなけいいがうかぶほほえみでした。
ポチまおうは、ゆっくりととびらをくぐりました。
ものすごくうれしそうなかおで、ファイティングポーズをとったおひめさまがそこにはいました。
まおうは、にびょうでまけました。
そのご、わかったことですが。
このくにのおひめさまは、てんかむてきのあばれひめさまだったのです。
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