第1305話 この家の義母達キャラ濃すぎない? 的なお話

「さて、順番が少しおかしくなってしまったが、改めて紹介させてくれ。私の名はキサラギ・ゲンマだ。これからよろしく頼む、義息子むすこよ。」

「息子!? あ、はい。よろしくお願いします。義父とうさん。」


突然息子呼びされて驚いたんですけど。

あ、いや、息子じゃなくて義息子か。

文字で見るのと言葉で聞くのだと違うからこういうの一瞬迷う。


「後は……そろそろ来ると思うのだが、驚くかもしれないが悪い奴じゃないので落ち着いて対処してくれると助かる。」

「はぁ……? えっと、何があるんですか?」

「ああ、私の妻達でこれからは君の義理の母になるんだが、少し癖があるのでな。」


今妻達って言ったね。

やっぱり奧さんは複数居るんですね。

お国柄もあるんだろうけど、自分がそうだから俺に対しても寛容なのかもしれないな。

自分が複数人を娶ってるくせにどの口が言うのかって話だし。


「はじめまして。私はキサラギ・リンネって言うんですけど、あの……握手して下さい!」

「はぇっ!? あ、握手!? あの、ゲンマさん……?」

「リンネは昔から英雄演舞が大好きでな……英雄関連の品も山のように集めているんだよ。こうなると思っていたから先程頼んだんだ。出来れば握手してやってくれないか?」

「え、あ、はい。では……。」

「ありがとうございます! この手はもう洗いません!」

「いや、洗って下さい!」


ここにもスズランさんの同類が居たか……。

ってかこんな反応ユキノもしてなかったか?

勇者関連の話の時に。

つまりこの人がユキノの実母って事かな。


「ごめんなさいね、彼女は昔からああで。ああ、私はミゾレ。ユキノの母です。」


あれぇ!?

え、この人が母親!?

じゃあリンネさんの方が義母って事になるけど、えぇ……?

普通こんな似るもんなのか?

いやまあ、どちらもユキノの母である事に変わりないんだろうけどさ……。

あ、よく見たらリンネさんとミゾレさんの髪の色合いが少し違う。

リンネさんもミゾレさんもどちらも黒髪だけど、リンネさんの方は少し赤みがかっているのに対してミゾレさんはユキノ同様真っ黒だ。

なるほど、確かに血の繋がりを感じられるな。


「2人とも早すぎるわよぉ〜。」

「ちょっ、ミズキ! なんて格好してるのよ!?」

「えー、だってユキノちゃんの彼氏君が来るって言うから急いでお風呂入ってきたんだもの。しょうがないじゃない。」


また新しい人が来た。

この人はミズキさんと言うらしいが、なんでこの人風呂上がりで来るんですかね?

髪の毛も乾き切ってないし、風呂上がりだから頬も上気してて妙に艶っぽい。

言葉遣いや仕草もなんか艶っぽいし服も浴衣だけど風呂上がりで暑いのか若干はだけてて、もう色々と目に毒です。


「あ、ちょっ、2人とも何するのよ〜。」

「いいから! 貴女はあっちで着替えてきなさい!」

「ごめんなさいね。ちょっと席を外させてもらうわ。」

「あんっ! もう、押さないでよ〜。」

「……妻達が騒がしくて申し訳ない。」

「い、いえ。」


個性豊かな義母達だなぁ……。

多分ユキノのちょい堅物な喋り方とか考え方とかは母親達……というよりもさっきのミズキさんが反面教師になっちゃったんだろうな。

なんだよ、あんっ! って。

俺だから良かったけど、別の奴だったら危なかったと思うぞ。


「そういえば父様、アヤカ義母様はどちらに?」

「アヤカならば今子供達を呼びに行っているからじきに来るはずだ。」

「そうですか。」


まだ居たの!?


「あの、まだ他にも居るんですか?」

「レント、母達は私の実母であるミゾレを含めて4人だよ。五等大名としては多いがな。」

「運に恵まれてな。」

「私達の愛を運の一言で片付けないでもらいたいでござる。」

「アヤカ義母様!」


うわっ!?

どこから現れたんだ!?

というかござるって……。


「彼女がアヤカ義母様。私と一緒にクノイチの修行をしてきた母であり、修行仲間でもある人だ。」


なんだそれ……。

いや本当に、この家の義母達キャラ濃すぎない?

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