第1118話 戦闘技能を見るって書類に書いてあったよね!? 的なお話

模擬戦で温まった体のまま受付に向かい査定の結果を聞きに行く。

こんな大事な事忘れるわけがないよね?

……ユキノが覚えていたから実質覚えていたと言うのは過言だとは思うけど、ちゃんと査定結果を聞くのだから問題はない。


「査定の結果ですが、合計で82万6000リムとなります。鵺に関してですが、数が少ない為査定が難しいのでまだ時間がかかります。なので査定の結果は鵺を抜いた額となっております。詳細に関してですがお聞きになりますか?」

「いえ、大丈夫です。」

「それで、鵺の査定が済み次第ご連絡をさせていただきたいので、可能であれば滞在先を教えてもらえませんか?」

「今は花鳥園に泊まってます。」

「か、花鳥園ですか!? 鵺を倒せるだけあって、凄いところに泊まって居るのですね……。」

「ええ、まあ……。」


実際は国にあてがわれただけでお金は払ってないんだけどね。

じゃなきゃあんな所泊まってなんかいられないよ。

1泊するだけでも数十万リムが吹っ飛びそうだし。


82万6000リムだけ受け取って宿に帰還する。

そういえばお婆さんから貰った味噌はどうしよう?

当分使う機会無さそうだし。


「ただいま〜。」

「お帰り。ずいぶん遅かったけど何かあったの?」

「明日二次試験やる事になったから軽く体動かして来た。」

「え、明日!? 早いね……。」

「いつでもいいって言ったらそうなった。で、体動かすためにユキノと模擬戦したから少し遅れた。ああ、後鬼とか買い取ってもらったから。」

「へー、幾らになったの?」

「82万6000。」

「え、少なくない!?」

「蒼井、急に叫ぶなよ……びっくりするだろうが。」

「だけど、82万でしょ? そりゃ驚くわよ! 鵺とかどうしたのよ!? 数が少なくて厄介な相手なのに、どうしてそれだけなのよ!?」

「いや、ただ単に鵺は査定が終わらなかっただけだ。」

「あ、そうなの?」

「数が少ないから査定が難しいってさ。」


後真っ二つにしちゃったから余計に査定が難しくなった可能性があるけど……多分気のせいだろう。

気のせいって事にしておこう。


「それと、途中で困ってたお婆さん助けたらなんかお高い味噌貰った。だからセフィア……任せた。」

「あ、うん。分かった。」


何をとは言ってないけど、まあ分かってくれるだろう。

味噌汁くらいなら作れるし味噌汁にして飲んでみたいけど、全部味噌汁にするのもどうかと思うしね。


困ったお婆さんに一次試験に模擬戦、買取と色々とあったのでそれなりには時間が経っておりお風呂に入れる時間となった。

昨日の反省を活かして今日は部屋についている方ではなくて大浴場の方を利用しよう。

失敗はそのままにせずそこから学んでこそ意味がある。

学んでいれば対策だって出来るのだ。


大浴場は大浴場だった。

自分でも何言ってるのかよく分かんないけど、本当に大きいんだもの。

この世界にボイラー的な魔道具はあるけどそれもかなりのお値段だし、ましてやこんな大きな風呂に使うとなるとボイラーも馬鹿みたいなお値段になるんじゃないかな?

それなのに、こんなに広いんだ。

驚きもするさ。


……あ、ここ源泉掛け流しだ。


お風呂、凄い気持ち良かったです。

温泉だからねー。

源泉かけ流しだからねー。

そりゃ気持ちいいに決まってるよね。

露天もあったし、今度はもう少し遅い時間に入って夜景とか楽しみたいな。


夕食は当然昨日とは違ったメニュー。

そしてその夕食も豪華でとても美味しい。

どれもこれも美味しかったけど、今日のは最後のお茶漬けが良かった。

出汁がすごいいい香りで旨味も素晴らしいの一言。

セフィア達も炊いただけじゃないご飯の食べ方に驚きつつも美味しそうに食べていたしね。


さて、後は寝るだけだな。

って、ちょっと待って?

なんで服脱ぐの?

俺明日も試験あるって言ったよね?

戦闘技能を見るって書類に書いてあったよね!?

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