第1079話 なんでお酒ってこんなに高いんだろう? 的なお話
「今日もご飯が美味い!」
ヤマトに来て何がいいって、食事が基本和食で主食が米だという事。
日本にいた頃はそこまでじゃなかったんだけど、異世界に来て米を失ってからというもの、恋しくて仕方なかったからなぁ。
失ってから初めて幸せに気づくとはよく言ったものだ。
俺別にご飯派ってわけじゃなかったのに恋しいんだもの。
ご飯派の人だったら狂ってたかもしれない。
「あっはっはっはっはっは! そう言ってくれるのは嬉しいねぇ。米はこのホムラ自慢の品だからね。」
「ホムラ?」
「おや、知らなかったのかい? この街の名前であり、この街の大名の名、それがホムラさ。」
ホムラ……あ、穂村って事か。
なるほどねー。
この街はそういう特色があるのね。
でも、塩害とかそういうのは大丈夫なんだろうか?
それなりに離れてるとはいえ、海の近くだし稲穂にダメージがいったりしないのだろうか?
でも新潟とか米の産地として有名だけど、あそこも海に面してるし、意外と大丈夫なのかな。
「それにしても、嬢ちゃんは箸の扱い上手いもんだね。誰かに習ったりしたのかい?」
「あ、えっと、まあ、そんな感じ。」
箸を使ってるのは俺、ユキノ、蒼井、アカネの4人。
あ、後スズランさんもか。
しかし、嬢ちゃんと言われたのはアカネ。
何故だ?
ユキノとスズランさんはこの国出身だからいいとして、どうして俺と蒼井は注目されないんだ?
俺達もこの国出身じゃないのに。
いや、褒められたいわけじゃない。
日本人だし〜、使えて当然なわけで、褒められる程のことじゃない。
でも、除外されるのはなんかモヤモヤする。
あんまし気にするのもどうかと思うので話題を変えよう。
「それじゃあ、米以外ではどんな特産品があるんですか?」
「特産ねぇ……ああ、そうだ。米を使った酒が有名だね。」
「お酒ですか?」
「ああ。一部を海外に輸出してるけど、それよりも原産国という事で種類が豊富だからね。土産に丁度いいよ。」
「そうなんですか。後で見てみますね。」
「そうするといい。」
朝食を終えたので、さっさと次の街へ……といきたい所だけど、お酒が有名なんて聞いちゃったら寄り道するしかないよね。
アデル、お酒大好きだから。
とはいえ、今は護衛依頼の真っ最中。
なので、護衛はみんなに任せて俺は1人酒屋に行きさっさとお土産を買うとしよう。
酒屋には多種多様な酒が置いてあり、基本的には日本酒のようなお酒があるけど、ワインやエール、ウィスキーといった日本っぽくないお酒も置いていたりする。
まあ、海外のお酒も輸入してたりするよね。
と、ここら辺はヤマト産ワインなのか。
へー、やっぱり作ってたりするんだね。
日本でも国産ワインを作ってたりしてたしヤマトでもやってたわけか。
この辺のワインも幾つか買っていくか。
種類は適当に5種類ほどで、数はそれぞれ5本ずつくらいでいいかな?
贈る相手がアデルだから5本でも少ないか。
まあ、こっちはおまけだ。
本命はこっち。
米を使ったお酒。
清酒っていうんだっけ?
でも焼酎と何が違うのかさっぱりだ。
とりあえず似たようなものだし、気にしないでおくか。
えーと、今宵、龍帝、柳、文月、新月、熊殺し、鏡花、朝桜、暮桜、夜桜……この桜シリーズは同じ酒蔵が作ってそうだな。
どれがどういう物なのか分からないし、こっちも適当にさっき見た10種類でいいか。
で、こちらもそれぞれ5本ずつ。
計50本になるし、これだけあれば十分だよね?
……十分じゃない気がする。
アデルならばこれだけあっても1週間ぎゃ保たないかもしれない。
とはいえこれ以上は金銭的に厳しいし……。
なんでお酒ってこんなに高いんだろう?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます