第1047話 泥仕合いだったけど結構盛り上がった。的なお話
ダーツを楽しんでいたところでふと空腹感を覚える。
そうか、もうそんな時間なのか。
楽しい時間はあっという間に過ぎるな。
というわけでお昼を食べてから再び遊戯室へ。
特にすることもないしね。
いや、魔道具な槍作りもやらなければいけないんだけど、造りに関してのブレイクスルーが出来ない事には進みそうにないから……。
魔道具部分を加工出来るように後から取り付けられるようにする必要があるらしいけど、そんなことしたらどう考えても強度が足りずに自壊するに決まってる。
だから、それをどうにかしない事にはどうにもならないんだけど、全然浮かばない。
船は浮いてるけど。
だからブレイクスルー出来る何かを得られるまでは気楽に構えてようと思ってる。
「あれやりたい。」
「ビリヤードか……みんなはどうだ?」
「いいんじゃないかな。でも僕やった事ないんだよね。うまく出来るかなぁ……?」
「気にする事ないだろ。俺はあるにはあるけど、それだってほんの数回でやった事ないに等しいし。」
「そうなの?」
「近くのボーリング場にビリヤード台もあって、その時にな。」
「あー、あそこ。確かにビリヤード台あったわね。子供会のボーリング大会の合間に遊んだ記憶あるわ。」
「みんなもビリヤードをやるって事でいいか?」
「まだ日にちはあるし、構わないわよ。」
「そうだな。」
特に反対意見もなかったのでビリヤードをやる。
今回やる競技はビリヤードのど定番、ナインボール。
……というか、それ以外にルール知らないし。
ルールに明るいとは言えないがまあ、お遊びだしそこまで気にする必要はないだろう。
確か、1番から9番までのボールを使って、番号順に落としていき、最終的に9番のボールを落とした人が勝ち。
当てるボールは常にビリヤード台上のボールの中で1番小さい数字でないといけない。
と、こんな感じだったはず。
後は手球を落としたり、何のボールにも当てられなかったりしたら即交代で次の人は手球を好きな位置に置けるとかもあったはず。
プレイ人数は2人。
でも今回はお遊びだし、台の数にも限りがあるということで3、3、4で分かれてプレイし、先に2勝した人の勝ち。
そして、勝った3人で決勝を行う。
何かあればその時の臨機応変に対応するという事で。
グループ決めはグーチョキパーで決めるが、多分みんな心はひとつだろう。
……リリンと同じ組にはなりたくない!
絶対負ける!
「それじゃいくぞ。せーのーで!」
…………よ、良かった。
リリンとは別の組になれた。
拳の可能性に賭けたのが功を奏し、俺は見事蒼井、アカネと一緒の組になった……って、なんでやねん!
なんでこんな綺麗に日本組が集まるの!?
3人ともに拳の可能性に賭けるとかなんなの!?
ま、まあいい。
リリンと同じ組にならなければ勝ちの目はある。
正規のルールでは順番決めはバンキングをするとかなんとか。
確か手球を突いて、向こう側の壁? なんだっけ? なんかちゃんとした名前があったはずだけど、思い出せない。
……それはともかく、壁に当てて跳ね返した手球がこちら側の壁により近い方が順番を選べる。
でも今回は3人だし、近い順にプレイしていく事にしよう。
ーーガッ!
ーーゴッ!
ーーカンッ!
あれ?
上手く突けなかったが、それはいいとして、なんか、アカネが突いた音、良くね?
「じゃあ、私からやらせて貰うわね。」
「お、おう。」
最初は枠を使って綺麗に並べられたボールに当てることから始める。
その時にボールが落ちれば先手が続行、落ちなければ交代。
だけど今回は運良くボールが落ちた。
なので、アカネが継続してプレイをしていくけど、あの……ちょっと待って?
え?
なんでそんな角度で当てれるの?
ちょっ、それテレビで見たことあるやつ!
テレビで神業として紹介されてたから!
なんでそんなの出来るの!?
1ゲーム目はアカネの手番だけで終わってしまった……。
まさかのダークホースに動揺を隠しきれない。
「一応貴族令嬢だったからね。これくらいはね。」
貴族令嬢、恐るべし……。
2ゲーム目はアカネの慈悲によって俺からのスタートになったけど、最初の奴がカス当たりで全く弾けず、2番手の蒼井も上手く当てられず、最後にアカネが全部落としてゲーム終了。
圧倒的な差でものの数分で終わってしまった。
他の台ではまだプレイしていたので負け犬同士で遊んだ。
泥仕合いだったけど結構盛り上がった。
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