第1045話 何もこんな海の上でしなくても…。的なお話
お守りを作り終わり、みんなに渡したんだけど、お昼を食べてからまだ1時間と少ししか経っていない。
なのでこれからどうしようかと話し合った。
俺としてはこの船の中を探検してみるのもアリなんだけど、みんなは俺が色塗りに苦労している間に終わらせてしまっている。
それはセフィア達だけではなく、シア達も済ませているとか。
むぅ……ならば誘って欲しいと思わなくもないけど、お守りを仕上げたいと言ったのは俺だからなぁ。
すぐに合流して伝えた可能性もあるし、しょうがないんだけど。
で、みんなの興味は遊戯室へと行ったのでまずは遊戯室に向かう事に。
色々やってみたくはあったけど、たまたま人がはけた所だったのでボーリングをする事にした。
そういえばボーリングは結構久しぶりだな。
前にやったのはいつだったかな……小学校の頃に子供会でやって以来か?
「ん?」
「どうしたの?」
「いや、なんか俺の記憶にある奴と比べて全体的に少し小さいなって思って。」
「そうなの?」
「まあ、記憶違いかもしれないし、それに場所が場所だから、あえて小さくしてあるのかもしれないな。」
「そうかもね。」
さて、確かボーリングのフォームはこうでいいんだよな?
そんで4歩でボールを転がす。
「ふんっ!」
俺が転がしたボールは圧倒的なまでの速度でピンまで一瞬で到達し、そしてそのままピンを撒き散らした。
それはもう、盛大に……近くのダーツのブースの方に飛ぶくらいに。
「ちょっ、もっと加減してくれ!」
「すみません!!」
係の人に怒られてしまったが、これは完全に俺が悪い。
なので素直に謝る。
唯一の救いはストライクだった事かな。
いやまあ、あの速度で転がろうものなら当たりどころが悪かろうと諸共に蹴散らすだろうけどさ。
係の人が回収したピンをレーンの上に置いていく。
船の上ということを抜きにしても、流石に日本みたいに全自動の機械は存在していないみたい。
だからなのか、早く置くための工夫が施されている。
具体的にはレーンに少しだけ窪みが掘られていて、そこに置くことで安定させつつ、並びのバランスを取っている。
序盤はちょっとやらかしてしまったが、それはあくまでも前にやったのが昔過ぎた事と、ステータスが上がった事による加減の仕方の2つが運悪く相互に作用したからで、それを踏まえてやればこの通り……ピンを派手に蹴散らしながらボールが進んでいきます。
いや、あの、うん。
変な所にまでは飛ばなくなってるから……。
それにちゃんと全部ストライクだから。
更に調整を加えてなんとかまともに投げれるようになったところでゲーム終了。
場所の関係上レーンの数をそこまで多く確保することが出来ないとかで、1人5回までと決まってるらしい。
10人でプレイしたからそれなりの時間占領してしまったのは少し申し訳ない気分になってくる。
ストライクばかりだけど、ピンを巻き散らすから使用時間は2投するのとトントンかな?
ボーリングを楽しみ、夕食の時間まではまだ少し時間があるので部屋に戻ってアニメ鑑賞。
ダーツとかで遊ぶのもよかったとは思うんだけど、熱中して少しの時間だけになるとは思えなかった。
なので他の奴は明日以降に。
夕食はこれまた海の幸が美味しいコース料理。
ユキノがなんとか員というののおかげなのか、VIP待遇に近い気がする。
ユキノ様々だな。
後で拝んどこ。
そして波の音を聴きながら就寝……いや、リリン達に襲われてから就寝した。
何もこんな海の上でしなくても……。
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