第1005話 嫌われてしまったかと思っちゃったよ。的なお話
2日目の海鮮丼も美味しかった。
2日目の海鮮丼っていうと2日目のカレーみたいで昨日の余り物みたいになるけど普通に美味しかった。
特に海鮮丼に使われている黒金マグロ。
天然物のクロマグロを食べた事がないからそこまで比較できるわけじゃないけど、それでもそれよりも美味いと思う。
というか美味すぎた。
個人的にトロよりも赤身の方が好きなのだけど、黒金マグロのトロの部分は食べてみたいと思えるほどに。
「ご馳走様でした。」
「これすごいわね……マグロの美味しさが半端なかった。」
「うん……私夢中で食べちゃったもん。」
「そりゃ良かったよ。」
どうやら2人も満足のいく味だったようだ。
後片付けをした後ローレムさんの家から出たタイミングでローレムさんが話しかけてくる。
家を出る前じゃダメだったのかな?
「それじゃあな。いつまでいるか分からないけど、また何か欲しいものがあったら言ってくれ。売ってやるし、無いやつも取りに行くからさ。」
「それもお金がいるんですよね。」
「当然だろ。」
まあ、タダより怖い物はないって言うしね。
ちゃんと報酬払ったりした方が安心できる。
安心がお金で買えるのなら買うに越した事ないだろう。
「それじゃお世話になりました。」
「ありがとうございました。」
「美味しかったです。」
「ああ。」
今度こそローレムさんの家を出る。
この後は宿に帰ってもいいんだけど、折角魚市場の近くまで来たんだし、ついでに何かないか見てから帰ろうかな。
「あれ? 帰るんじゃないの?」
「ついでに何かないか見てから帰ろうかなって。昨日は無かったけど今日はあるって事もあると思うし。」
「それなら私も一緒に行こうかな。優姫はどうする?」
「ん〜私も行こうかな。」
「そっか。それじゃ行こうか。」
というわけでアカネと蒼井も連れて魚市場に向かう。
「昨日は海老とか蟹、タコなんかを買ったけど、他に何か欲しい物とかってある?」
「そうね……私はイカかな。」
「私は……鯛とか? とりあえず高そうだし。」
「高そうって……まあ、刺身としては定番か。俺は……そうだな、ブリとかがいいかな。ブリなら刺身だけじゃなくて煮物なんかも美味しいし。」
「あー、ブリもいいね。」
「でもあるかな?」
「無かったら無かったで別にいいんだ。他の物を買うだけだし。そういえば異世界なわけだけどさ、イカじゃなくてクラーケンって事あったりしないかな?」
「うっ……それは、ありそう……。」
「もしそうなら多分水揚げされないよね。」
「だろうなぁ……俺もイカ好きだからそうなら残念だな。」
そんな事を話しながらいろんな店を回る。
今回は昨日よりも早い時間という事もあって品揃えは豊富で、ブリ、鯛、ヒラメに似た魚、アジっぽい魚なんかを買う事ができた。
イカも居るには居るらしいんだけど、クラーケンを彷彿とさせるとかであまり人気がないそうだ。
だから水揚げされる事があまりない。
というか、クラーケン居るのかよ……。
魚市場を回り終わったので宿に帰るとセフィア達が朝食を食べていた。
あー、そういえば伝えてなかったなぁ。
朝食2回目……イケるか?
「レント達の分は無いよ。」
「えっ!?」
とか思ってたらセフィアからの無慈悲な一言。
ひょっとして、怒ってる?
「帰ってくるの遅かったから多分食べてくるだろうと思って、注文してないんだよ。もしかして、余計なことしちゃった?」
「ああ、いや、外で食べてきたよ。」
「それなら良かった。」
ほっ……よ、良かった。
嫌われてしまったかと思っちゃったよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます