第917話 やっぱりフラグは回収されなかったな……。的なお話

定食屋を後にして次へ。

劇場はもう行ったから次はあそこかな。

ウィンドウショッピングというのも悪くはないんだけど、それは後でいい。

最初からウィンドウショッピングだと長引きそうで気疲れしそうだという理由があったりなかったり……。

後、折角なのであそこに行きたいんだよ。


というわけで来ましたカジノ。

ここも国営なので安心安全。

国営があるという事は国営じゃないところもあるという事なんだろうけど、そういう所には近寄らないので問題なし。

とはいえ、あんまり長居するのも良くない。

最近稼いでるので軍資金がたんまりあってしまうのだ。

そうなると次こそは次こそはとズブズブと沼のようにハマってしまう可能性もある。


「ここは2時間ほどで出ようと思います。異論は認めん。」

「えー!? なんで!?」

「そりゃお前、こんなところに長居したら散財するのが目に見えてるからだよ。」


リリンならなんだかんだで最終的には結構なプラス収支で終えられそうだけど、他はそうはいかない。

それに、こういうところの定番というかテンプレとして、最初は勝ってて調子乗るんだけど、途中で負けが込んできて、次こそはとズブズブと沼に嵌るようにしてのめり込み、最終的には一文なしどころか身包み剥がされたりする。

そんなのは勘弁だ。


そして最初に向かったのはルーレット。

リリンは以前カインのカジノに来た時と同様に数字一点賭け。

相変わらず攻めてるな。

それ以外のみんなは赤か黒。

そして結果は黒の15。

リリンは外れ、他は半分ほどが当たりもう半分が外れた。

俺は外れ。

それにしても黒の15って、B◯EACHを思い出させる数字だな。

まさしく主人公な色と数字の組み合わせだし。


何回か賭けを行った後、突然リリンが賭けるのを辞めた。

どうしたんだ?


「何か、嫌な気がする。」

「?」


良くわからないけど、取り敢えず俺は赤に賭けよう。

そしてディーラーが玉を投げ入れて……00に止まった。

嫌な気ってコレか!?

どんな直感してんだよ!?


リリンに対する驚きはこれだけに留まらず、次のルーレットでまたもや一点賭けを成功させたのだ。

本当にリリンは、持ってるなぁ……。

これにはディーラーさんもびっくりした顔を隠すことが出来てない。


リリンが手に入れたたくさんのチップをもって次のところへ。

次に来たのはラビットレース。

簡単に言えば競馬のウサギ版。


「そういえば、リステルにもカジノがあるんですけど、そこでは魔物がレースしてるんですよ。」

「チャージラビットも一応魔物だぞ。」

「それだけじゃなくて、Bランクの魔物なんかもレースをしてるんですよ。」

「そうなのか!?」

「はい。ただまあ、かなり特殊なものになってましたけどね。」

「というと?」

「魔物でランクも上になると肉食なのが増えますよね?」

「まあ、基本的にはそうだな……まさか?」

「はい。俺が賭けた魔物、近くの魔物を食ってそのまま寝てました。」

「それはまた何というか……。」

「と、そろそろ始まりそうですね。」

「そうだな。」


リィナさんも一緒になってカジノを楽しんでいる。

良かったー。

リィナさん真面目な人だから、こういうところはあんまり楽しめないんじゃないかなってちょっと思ってたんだけどね。


その後もいくつかのゲームを遊んでいたらあっという間に2時間が過ぎてしまった。

ちょっと短かったかな?

いやでも、負けて散財するよりかはいいか。

というか、やっぱりフラグは回収されなかったな……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る