第893話 さて、思いっきり遊ぶぞ。的なお話

エリュシオン邸に戻ると既にお昼の準備ができていた。

毎度の事ながらありがたいと思う反面申し訳なくも思う。

でもご厚意には甘えるスタイルで。

すごく美味しそうだし。


「あ、おかえりレント。」

「ただいま……で、いいのかな? ま、いいや。ただいま。それでえーと、蒼井は?」

「ユウキちゃんならまだ寝てるよ。」

「あー、やっぱりか。」


まあ、蒼井だしねぇ。

薄々そうじゃないかと思っていたし。

みんなは流石に起きてるようでユーリ達も含めた全員がこの場にいる。


「用事の方はもう済んだんですか?」

「ああ。知り合いに帰ってきた事を伝えるだけだからね。」


知り合いというか恋人だけど、わざわざ言う必要もないしね。

手を洗ってから席に着きお昼をいただく。

やはりというかなんという、見た目通りの美味しさであっという間に完食したよ……ユーリが。

お貴族様の家の料理はそうそう食べられるものじゃないからつい……って感じだな。

あ、メイドさんがさっとお代わり持って来た。

す、素早い……流石メイド。


そんなお昼を終えたわけだが……何しよう。

アニメ鑑賞はユーリ達が居る以上は難しいし、かといって武器のメンテという気分でもない。

少なくとも暫くは働きたくない。

ヤバイな……俺ってここまで無趣味だったっけ?

デートはどうだ?

……いや、昼過ぎてからというのもどうかと思うし、無しか。

となると……あ、忘れてた!?

違う!

忘れちゃいけない事があった!


「シア!」

「な、何よ急に……。」

「アルバとマロンを走らせに行くぞ!」

「え? ああ、そういえばそうね。折角帰って来たのにまだ会ってないものね。それに、放置すればするだけ頭突きが激しくなるだろうしね。」

「それを言うなよ……。なんで俺だけなんだろう。シアはそんな事無いよな?」

「ええ。無いわね。」


他のみんなもされているところを見た事無いし、本当に、なんで俺だけなんだろうな?

そんなわけでアルバとマロンを走らせに行くのだけど、やっぱり頭突きはされた。


「あれ? レントさん? それにアレクシアさんも。もう帰ってたんですか?」

「まあ、色々あってね。今はアデラードさんの所に泊まってるけど、またすぐお世話になると思うからその時はよろしくね。」

「分かりました。」


預かってもらっているレイランにてレイちゃんと遭遇したので帰って来た事を伝えて、ついでにちょっと走らせてくる事も伝える。

ちゃんと伝えておかないと盗難だのなんだのって話になるかもしれないし。


ジュネーシアさんの所で思う存分走らせてストレスを発散させてエリュシオン邸に戻る。

その際にまたアルバ達が大告白大会みたいな事されていたけど全部バッサリとぶった斬ったらしい。

惨いな。

うちの子達のストレスが無くなった代わりに他の馬達のストレスが溜まってしまったが。


後は……特に無いよな?

グラハムさんのところはまた今度場所を借りる時でいいだろうし、馬鹿ことクルト達に関してもギルドで会った時でいいだろう。

カルロ達も同様だな。

というかそもそもどこに住んでんのか知らないし。


エリュシオン邸に帰った後は特にすることも無いし、適当に遊んで過ごそう。

トランプでもいいし双六でもいい。

そういえば、こっちの世界にU◯Oってあったかな?

いや、トランプもあるしきっとあるだろう。


とまあ、そんな感じでのんびりと過ごすことにしよう。

となれば早速準備だ。

お菓子とか賭けるのもアリだし、偶にはこういうのもありだろう。

さて、思いっきり遊ぶぞ。

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