第784話 気にしてないようで良かった。的なお話
アカネに対してフラグのような事を言ったが、それがキッカケになるなんて事あるはずない。
だって今までがそうだったし。
そういうフラグとかテンプレなんていう漫画的、ラノベ的展開は現実では起こりえない。
異世界にいる時点で何言ってんだか……って思わなくもないけど、そういうものなんだ。
だから、こうしてフラグを立てておけば逆にジェイルアンデットは現れないだろう。
今まで散々テンプレが起きてないんだ。
フラグ通りになるなんてテンプレ起こるはずがないし、起こってたまるか。
今までどんだけテンプレ外したと思ってんだ。
ここでテンプレが起きたら今までのはなんだったんだって話だからな。
◇
「終了ーーーー! 午後5時になったからこの時点で狩猟大会は終了。狩猟成果の提出は今から10分後までに帰ってきた者は受け付けるよ。時間が過ぎても狩りをしてる可能性があるからね。もしも知り合いがまだ帰って来てないなら急いで伝えた方がいいよ。」
アデラードさんが大会終了の宣言をした。
これで狩猟大会は終了というわけなのだが……あんだけフラグを立てたのに、やっぱりジェイルアンデットは現れなかったぜ!
…………ちくしょう。
俺にはテンプレを外す才能でもあんのかよ……そういう星のもとに生まれたのかよ……。
「みんなお疲れ〜。この後は片付けをして撤収。ギルドへ着いたらそこで解散って流れだから、後少し頑張ってね。」
「はい。」
というわけで片付け。
狩猟成果の提出を受け付けている所のテントは後回しにしてそれ以外のテントを片付ける。
せっせと片付けをする。
ギルド職員さんも一緒だけど、やはり2度目という事もあって早く済むね。
楽でいいや。
残すは受付の所。
そんなタイミングでレミナ、シンシア、ラックスパーティが森の方からやって来た。
君達時間ギリギリだよ。
後32秒遅かったら受け付けてもらえなかった所だ。
多分5時になったから帰って来たって所かな。
提出待ちの列が無くなった所でテントを片付け、すぐに撤収。
帰りも行きと同様に護衛の冒険者でサンドイッチしてる。
そして俺達もされてる。
また中央部の護衛だからね。
「さて、それじゃみんな、今日はお疲れ様。結果は明日の午後5時にここで発表するからそれまでには集まってね。じゃ、解散!」
何事もなく無事にギルドへ着き、すぐに解散となった。
まあ、1日中森の中を駆けずり回ったのにこんな所で長々と拘束するのは良くないしね。
でもま、参加者達の半分くらいはそのままギルドの酒場で飲み出したけどね。
で、俺達はというと、ルーカスさん達黒狼とナタリアさん達天装にこの後一緒に食事でもどうだと誘われた。
……別々で。
うん。
流石に一緒にというわけにはいかないよね。
一応天装は男子禁制なわけだし、食事をしてお酒を飲むのなんて何もおかしくない。
そのおかしくない事をして酔っ払って何かあっては問題だろうから一緒ではないんだろう。
ルーカスさん、モテないから酔った勢いで……なんて事もあるかもだし、やっぱり一緒は良くないよね。
アデラードさんと一緒に……というのを考えなくはないが、今はきっと査定やら仕分けやらで忙しいだろう。
だからどっちかとって事になるんだけど…………うーむ。
よし、決めた。
「ナタリアさん達と一緒に食べるよ。」
「やっぱり女がいいのか!? まだハーレム増やす気か!?」
「誤解を招く事言わないで下さい! ただ単に、ナタリアさんとはアカネが、フランベルさんとはセフィアが友人だからです!」
またジェイル家関係のが出て来たからな。
アカネには友達と仲良く話したりしてもらって、気が滅入らないようにという配慮もあるけどな。
「それじゃあしょうがねぇか……。仕方ねぇから別のやつ誘うわ。じゃあ、またな。」
「はい。また。」
そしてナタリアさんオススメのお店で夕食を食べた。
その時のアカネはジェイル家の事を気にしている素振りはなく、普通に楽しそうにしていた。
気にしてないようで良かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます