第567話 普通逆じゃないかな。的なお話
セフィアとイチャついている内にいつの間にか寝てしまったようだ。
だって膝枕してる人が変わってるから。
さっきまではセフィアだったはずなのに、今はアカネがしているから。
なんでアカネ!?
「やっと起きたわね。足痺れてきたから起きたならどいてくれる?」
「え、あ、うん。……じゃなくて! なんでアカネがしてんだよ!?」
「セフィアがトイレ行きたいって言ってたから代わっただけよ。でも、当のセフィアはそのままやってあげてとか言われて……嵌められたわ。」
「?」
嵌められたと言った時のアカネの顔が赤い気がしたけど、もう夕暮れだし、夕陽のせいかな。
「で、そのセフィアは?」
「買い物。依頼の時に食材を使ったからその補充だって。」
ということは今ならあのことを聞けるという事か。
まさかセフィア、その事に気づいて………流石にそれはないよね。
「そうか。所で、さ……大丈夫なのか?」
「何が? 足ならその内痺れは取れるけど?」
「いや、そっちじゃなくて、ジェイル家の方……。」
「ああ。別にどうもしないわよ。聞いてすぐの時は、すっっっっごく! ムカついたわ。悲劇の主人公気取ってさ。そのせいで私は酷い目にあったってのにね。でも、それを気にして今を楽しめないなんて癪じゃない? またあいつらに振り回されるなんて、まっぴらよ。だから、明日は思いっきり楽しんで、ストレスを発散するわ。」
「そうか……じゃあ、目一杯楽しまないとな。」
強いな。
俺だったら、喚き散らしたりしてると思う。
それは、経験値の差だろう。
確かアカネは事故で死んでこっちに転生して来たし、奴隷になったりもした。
俺も一度死んだけど、その後は苦労したなんて、アカネと比べたら口が裂けても言えない。
だから、その差が心の強さに現れてるんだろうな。
「あ、どうせなら、明日はお酒デビューしてもいいんじゃないか? どうせ泊まっていきなよとか言ってくるだろうしさ。アデラードさん家なら片付けをそれほど気にしなくてもいいと思うし。」
「そうね。思いっきり楽しむんだし、そうするわ。もしも変な酔い方したりしたら、その時は頼むわね。」
「ああ。任せとけ。安心安全の蓮斗さんにお任せあれ。」
「ふふっ。何それ。でも、お願いね。」
「ただいまー。レント、これお願いね。」
「おかえり、セフィア。」
丁度話が終わるタイミングでセフィアが帰って来た。
そして、買って来たものを仕舞ってくれと頼まれたので、せっせとストレージにしまっていく。
結構たくさん買って来たな。
ステータスが上がってそれほど重くはないだろうが、それでも大変だろう。
そうだ。
パーティ用の資金で全員分のアイテムバッグを買おう。
そういうのがあればこういう時に楽になるしな。
とりあえず今度提案してみよう。
「日が暮れたし、みんなを起こして晩御飯食べに行こう。」
「そうだな。………というか、よく寝るな。夜寝れんのかね?」
「あはは……どうだろうね?」
みんなを起こして夕飯を食べた。
そしてアデラードさんがどういうわけか今日は来なかったので、嫁達に襲われました。
依頼行く前にしたっきりだったから、色々と溜まってたとしてもおかしくないし、理解もできる。
というか、それは俺もだし。
でもやっぱり、普通逆じゃないかな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます