第566話 撫でられるとしよう。的なお話
お昼を食べたらお喋りがてら食休みをする。
食べてすぐに動くと横っ腹痛くなるからな。
きっちりと食休みをしたら武器の整備だ。
野営中に一応やってはいたけど、やっぱりちゃんとやっておきたいしね。
それにリリンは帰ってくる時にちょくちょく倒してたし。
さて、やるかと思ってた所でレイダさん達がやって来た。
整備をする武器が追加された。
まあ、ジッとしてるとは思ってなかったからそうなるのもなんとなく予想はできてた。
だってレイダさんだもの。
改めて………さて、やるか。
◇
そこそこに時間がかかった。
あー、疲れた〜。
それでも、これで終わりだしさっさと戻ってダウトの続きだな。
と、思ってたんだけどなぁ……。
みんな寝てる。
トランプが乱雑に散らばってる事から、遊んでて疲れたから休んだら寝ちゃったって感じだな。
俺もやりたかったんだけど、仕方ないか。
俺は本でも読むとして、取り敢えずみんなに毛布をかけておくか。
「んっ……あれ……レント? あ、僕寝ちゃってたのか…。」
「悪い。起こしちゃったか。」
「ううん。僕の方こそごめんね。レントに武器を任せたのに、僕達だけ遊んじゃってて。」
「いや、別にいいよ。」
確かに残念な気分はある。
でも怒るほどのことじゃないし。
「あ、そうだ。ねぇ。2人でトランプやろっか?」
「いいよ。何やる?」
「うーん………何がいい?」
「俺が聞いたんだけどね。2人でできるものといえば……スピードかポーカーかな。ババ抜きだと3枚でやるようなもんだしな。」
「じゃあ、ポーカーで。」
「ポーカーか。どうせなら賭けをしよっか。5回勝負で俺が勝ったらセフィアのしっぽをモフらせて。」
「えぇ……それ、いつも夜やってるよね?」
照れつつ言うセフィアは、それはもう、とびっきりの可愛さで……今すぐに押し倒したいと思ってしまったよ。
「それはそうだけど、モッフモフで気持ちいいし。」
「じゃあ、僕が勝ったら……レントを膝枕させて。それで、頭撫でさせて。」
「よし分かった。今すぐやってくれ。」
「ええっ!? これ賭けだよね!?」
「そうだけど、別にいいじゃん。」
「もー。ちゃんとやってよね。」
「あははは。じゃ、まあ。真剣勝負と行きますか。」
「うん。」
でもこれ、全然賭けになってないよね。
だって、どっちもご褒美だし。
◇
「ふふふっ。」
「くっそー。あそこでハートがくれば勝ちだったのに……。」
「ざーんねん。でも、勝負は時の運。諦めて撫でられてね。」
結果は2勝3敗。
最後の勝負で俺はハート4枚とスペードの3のブタだった。
あそこでハートのカードがくればツーペアのセフィアに勝てたのに……。
仕方がない。
「レントの髪も結構ふわふわだね〜。」
「そういうセフィアだって……。」
「きゃっ! もー。勝ったの僕だよ? なんでレントがしっぽを触ってるのさ〜?」
「だってそこにあったからつい……。」
「しょうがないな〜。ちょっとだけだよ。」
「サンキュー。流石セフィア。愛してる。」
「い、いきなり何言ってるのさ!? …………僕も、大好き……だよ。」
あーーーーーー!!!!
やっぱりセフィアは可愛いなぁ!!
この愛おしいという衝動に身を任せ、今は精一杯セフィアを感じよう。
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