第529話 プラス57枚。的なお話

まずはお金とチップを交換する。

最低額は銅貨、つまりは100リムから。

なのでとりあえず1人1万リム、最低額のチップ100枚だな。

こんなところで散財するのもバカらしいが、それでも少なすぎては楽しめないということで100枚となった。

全員で4万。

最終的に4万を超えてれば御の字だな。


最初にやるのはポーカー。

と、思ってたんだけど………何あれ?

なんか、参加者が持ってるカードの枚数が2枚だけなんだけど?

それになんか場に5枚のカードがオープンした状態で出てるし………俺、こんなポーカー知らない。

こんなわけのわからないのは参加すべきじゃない。

ルールもよく知らないのに参加したら絶対に負けるし、例えルールを聞いたとしてもそんな初心者じゃ勝てるわけ……な……い……


「って、アデラードさん!? 何引きずってくれてるんですか!?」

「まずはあれからやろう!」

「ちょ、俺あれのやり方知らないですよ!? 絶対に負けますって!」

「やってみないとわからないって。それに負けるのも楽しみの1つだよ。」


アデラードさんが近くにいた従業員にルールを聞いて………って、あんたも知らないんかい!

なんでそれでやろうとしたんですか!?

でも、ルールは詳しくお願いします。


どうやらこのタイプの賭けるタイミングが4回あるらしい。

0、3、4、5 と、場のカードを徐々に見せていくのでその都度賭けるかどうかというものだ。

仲間内だとお遊びなのでそんな賭けとかせずに勝ち負けだけだし、賭けをしたとしても精々勝った人がお菓子をもらえるとかその程度だ。

役に関しては特に違いがないのが助かったな。


ルールも聞いたし、アデラードさんから逃げられないので、取り敢えず10回ほどやってみる。

参加者は俺とアデラードさんを入れて6人だ。


「チェック。」


他の人もチェックをしてる。

初心者だし駆け引きとかは苦手。

だから周りの様子なんかは基本的に無視して、勝負するかどうか決めるのは最後の全部オープンされた時。

幸い他の人も様子見なのか積極的に賭けたりはしてない。

今回はスリーカード。

うーむ………迷うが、最初だしここは降りとくか。


「コール。」


…………………………え、あれ?

そのまま続くの?

え? 俺の勝ち?

あ、コールって降りるって意味じゃなかったんですか。

降りる時はフォールドって言うんですか。

でも、運良く勝てて良かったよ。

チェックは誰も賭けてない時に回す時の言葉。

コールは周りの人が賭けている額に合わせる。

レイズが掛け金を引き上げる。

ベットが最初に賭ける時の掛け声。

オールインが全部賭ける時の掛け声ですか。

分かりました。

次からは気をつけます。


2回目。

ワンペア。

降りよう。

アデラードさんも降りた。


3回目。

ブタ。

降りるに決まってる。

アデラードさんがフラッシュで勝ってる。


4回目。

ストレート。

絶対に賭けるだろ、これ。


「レイズ、10。」


それから何人かがレイズを行い最終的にチップの数が16枚となった。

アデラードさんは降りてるので5人で勝負。

結果は俺の勝ち。

64枚ゲット。


5回目。

ツーペア。

降りとこう。

アデラードさんも降りる。


6回目、7回目も降りる。

アデラードさんは6回目の時にフルハウスで勝っていた。


8回目。

再びのストレートで勝負に出た。

しかし、相手はフルハウスで負けてしまった。

むぅ。

結構強気で行ったから20枚も賭けてしまってたよ。

残念。

ちなみに勝ったのはアデラードさんだったりする。


9回目。

俺はブタなので降りたがアデラードさんは再びのフルハウス。

しかし、今回は他の人がフォーカードだった為にアデラードさんは18枚のチップを失った。


10回目。

ラストだし、ストレートフラッシュというアホ程強い手札だった為に強気で行った。

ただ、その自信が顔に出てたのだろう。

みんな簡単に降りてしまった為にそこまで稼げなかった。


最初は周りが様子見だった為にチェックで良かったが、2回目以降は誰かしらがベットし俺もコールしたから何枚か失っていた。

しかし、勝てた時に結構稼げたのでプラス57枚。

これで全部で157枚だ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る