第528話 損しない程度に遊ぶぞー。的なお話

さて、セフィア達の方は一応これでいいとして、あかねはどうするんだろうな?

というわけで聞いてみる。


「それで、アカネはどうする?」

「私? もちろん一緒に行くわよ?」

「そうか。」

「だって私もカジノ行きたいし。これまで一度も行った事ないし、それに、このメンツじゃデートって感じになりそうにないから気軽についていけるしね。」

「いや、ルリエもルナもいるのだが……。」

「でも、その2人だとデートには見えないんじゃない? それにアデラードさんもいるし。」


アカネにそう言われて2人を見る。

2人はかなり小さい。

パーティ内での身長ワースト3の内の2人だ。

そこにその2人よりも小さいアデラードさんが加わる………どう考えてもデートには見えないな。

言っちゃ悪いから言わないが、子供の引率とかに見えそうだ。

…………………ロリコンじゃないよ?

好かれて、一緒にいたりして好きになっただけで、ロリコンじゃないよ。

ルリエとも3つしか違わないし。

アデラードさんなんて、383も違うけど、別にアデラードさんはショタコンってわけでもないわけで、なら3つしか違わないならロリコンということにならない…………なに言ってんだ俺?


「………まあ、2人がいいなら……。」

「私は問題ないですよ。」

「う、うん。置いてき、ぼりも、かわいそう、だし。」

「私は!?」

「いや、アデラードさんもついてくる側だし、確認取る必要はないかな、と。」

「そうだけど……でも、私だってレントの…「わー! そ、そういうことは言わないで!」……あ、そうだった。」


危ない危ない。

アデラードさんが余計なことを口走りそうになってなんとか遮った。

でも、このタイミングでこのセリフだと………。


「え、あ、ひょ、ひょっとして? え?」


やっぱり。

レイちゃんにはなんとなく察せられてしまった。

でも、ここで肯定するのはあまり良くないし、ひとまずは否定というか、誤魔化しとかないと。


「いや、ほら、ね。アデラードさんはシアのはとこなわけで、そうなると、必然的にシアとはいずれ結婚するつもりの俺としては、親戚となるわけで、ならばこうして親しくするのもおかしなところなんかはどこにもないと思う所存なわけですよ。」


あ、ダメだこれ。

全然取り繕えてないわ。


「あー、そうですよねー。そういうこともありますよねー。」


なんかレイちゃんに察してますよー。

でも気づいてないですよー。

みたいな目で見られた。

なんかすごく気まずいというか、居心地が悪い。


「えっと………そ、そういうわけなんで、セフィア達のことよろしくね。それじゃ、俺達はこれで。」

「分かりました。任せてください!」


いい笑顔だこと。

でも、目が見守るような感じになってるのはどうにかしてほしい。

俺の方が年上なんですけど!?



一度部屋に戻って、出かける事、レイちゃんが面倒を見てくれることになった事なんかを寝ているみんなに伝えてからカジノへと出かけた。


「へー。こんな風になってるんだー。」

「これはこれは、冒険者ギルドギルドマスターのアデラード様ではございませんか。本日はどのようなご用件で?」

「君誰?」

「これは失礼を。私は当カジノの支配人をしております、ランダンと申します。」

「そ。今日はちょっと遊びに来ただけだから。」

「そうですか。それでは、当カジノの説明を……と、言いたいところですが、お弟子さん達との時間を邪魔するのもなんですので、私はこれで失礼させていただきます。もしも、何かご用がありましたら従業員にこれをお見せください。これがあれば大抵のことなら聞きますので。流石に、結果の操作などは出来かねますが。」

「うーん。別にいらないんだけど……ま、一応受け取っておくよ。それじゃあね。」

「はい。では、ごゆっくり。」


凄いな〜。

やっぱりギルドマスターともなると、VIP待遇になるんだな〜。

それにしても、やっぱりカジノなんてやってるだけあって情報収集とかしてるんだな。

俺達を見てすぐに弟子だと気づいていたし。

流石にアデラードさんを敵に回すとは思えないし、大丈夫だとは思うが、気をつけておこう。

そんなことを考えていると、アデラードさんがこちらを振り向き、満面の笑顔で言ってくる。


「さて、それじゃあ、遊ぼっか。」

「「「「はい!」」」」


ちょっと気になるけど、気にしてもどうしようもないし、何より、せっかく遊びに来たんだ。

楽しまなきゃ損損。

というわけで、久しぶりのカジノだ。

損しない程度に遊ぶぞー。

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