【第五章】迷宮都市でのいろいろ。
第337話 活動再開します的なお話
朝帰りした日から1週間。
ユキノの療養も済み、今日から冒険者としての活動を再開する事に。
本当は昨日から再開しようと思ってたんだけど、雨降ってたからね。
わざわざ雨の中仕事する必要ないし。
「とりあえず、ユキノは病み上がり(?)だし、今日は簡単なのにしようか。」
ところで、怪我が治ったばかりの事も病み上がりでいいのだろうか?
BL◯ACHでそんなくだりがあったんだけど……
「あれ? 連携の確認もするんじゃなかったっけ?」
「それはユキノが本調子になってからだな。ブランクがある状態とそうでない時だと動きに差があるだろうから、今連携の確認しても意味がないと思うんだ。」
「なるほど。確かにそうかも。」
セフィアも納得したので早速冒険者ギルドに赴くのだが、当のユキノが不機嫌だ。
なんでだろう?
「それよりどうしたんだ、ユキノは? なんか不機嫌だな。」
「ふん! 不機嫌にもなるさ。この1週間毎日イチャイチャイチャイチャ、見せつけられるこっちの身にもなってみろ!」
「いや、それは、その………すみませんでした。以後気をつけます。」
「うっ………ま、まあ、あれだ、付き合いだしたばかりなのだし仕方がないのかもしれぬが、そういう事は時と場所、後、周りの人間を考えてくれ。」
「気をつけるよ。」
「う、うむ。頼むぞ。」
ユキノの言う通り、少し浮かれてたのかも。
それにこれまではそういう雰囲気になってもアカネ達は何も言ってこなかったから気にしてなかったけど、気をつけるべきかも。
以前のモッさん'sのような冒険者達から無駄にヘイトを集める理由もないしな。
いや、悪意感知のレベル上げにはなるかもしれないけど、既にレベルが8まで上がってて俺に向けられた悪意以外もある程度感知できるようになってるんだよね。
しかも感知対象を設定できるという無駄に便利な仕様になってる。
ちなみに現在は自分とその仲間を害しようとする相手のみとなっている。
まあ、それは置いといて。
今現在俺達は依頼の物色中。
ユキノのリハビリというか、慣らしが目的だからDくらいの魔物を対象に街の外の依頼を選ぶ。
ここは冒険者もいっぱいいるし依頼は少ないかと思っていたんだけど………これ、ちょっと多くね?
というか、ターゲットの被り具合がひどいな。
オークの納品、オークの討伐、オークの群れの殲滅、オークの集落の調査、オークの集落の殲滅、トライデントボアの納品、トライデントボアの討伐、トライデントボアの幼体の捕獲……etc
なんか、豚系多いな。
他にも毎度お馴染みゴブリンさんやアリさんに毒トカゲさん、リザードマンにロックゴーレムなどたくさんの依頼がある。
ダンジョンをメインにしてて街の外の依頼を受けないっていう冒険者が多いのかな?
「どれがいい? 怪我が治ったばっかだし最初は殺りやすいのを選んでいいよ。なんか選り取り見取りだし。」
「む、そういうことならば、これにさせてもらおう。」
そう言ってユキノが選んだ依頼はリザードマンの納品だった。
ふむ。
あいつらは群だとCランク扱いになるんだが……本人がいいと言うのだし、それでいいか。
やばそうなら助ければいいし。
俺達もエルカにいた時に倒した事があるからやりやすいしな。
後、ついでにコボルトナイトとボアの討伐も受けてギルドを出た。
「そういえばさ、ユキノはどんな戦闘スタイルなんだ?」
「ふふっ。聞いて驚け。かつての勇者が伝えた伝説の存在。影に潜み、闇夜をかけ、超常の力を操る存在。忍者だ。」
「忍……者?」
「そうだ。まあ、私は女なのでくノ一と言うべきかな。」
勇者が伝えたってことはつまりはあれだろ。
金髪に狐髭のおばか忍者の話だろ。
伝説って……なんと言っていいのやら。
「本当よ。分身作ったり、変わり身をしたり、本当に凄いんだから!」
「…………さいですか。」
シアさんや。
あなたもあの作品のファンなんですか。
いや、確かに面白いよ。
でもなぁ、なんといえばいいのかわからないけど、なんか釈然としないなぁ。
結構本家とズレてるからかな?
今度レイカーさんに貸してもらえないか聞いてみようかな?
持ってるか知らないけど。
「えーと、それで武器は?」
「刀に短刀、鉤爪に手裏剣、鎖鎌に投げ分銅、苦無などだな。後は徒手空拳だ。」
「忍者っぽいラインナップだな。」
「忍者だからな。」
そうこうしているうちに街の外に出る。
さて、久しぶりのお仕事だ。
頑張るぞー。
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