第318話 デフォって何? 的なお話

今日も今日とてダンジョンです。

昨日遭遇したフランからミミックは三階層から出てくるという情報を得た。

ミミック目当てに潜るのもどうかと思うが、ここまで会えてないと逆に会いたくなる。

というわけで、本日は一階層で野営を行いダンジョン内での野営訓練をして、その後で三階層を目指す。

初心者ダンジョンでも野営訓練はしたが、死ぬこともなく性的に襲いようがないという一種の安心感があったからそれと一緒にするのは問題がある……と思う。

それに迷賊もいなかったしな。

だから、一度野営訓練をするのだ。


そして、それが終わって少し休んだら遂にミミック目指して三階層に挑むのだ。

………そういえば、もしもミミックをテイムしたらどうなるんだろう?

テイムスキルを持ってないから確かめようがないけど。

本当に、どうなるんだろう?

凄く気になってきたよ。

シア達と再会して少し余裕ができたらテイムスキルの習得でも目指すか。


ギルドに行って依頼を物色する。


「取り敢えず魔石の納品はデフォとして、他はどうしようかな?」

「うーん。でも、報酬の高いのはどれも下の階層だよ。」

「そうなんだよなぁ。じゃあ、これで良いかな? ラビット肉の納品。宿屋レイランからの依頼。」

「あははは……い、良いんじゃないかな?」


なんかあったんだよね。

今泊まってる宿屋からの依頼。

ちょっと面白そうだから受けようと思った。

宿泊客が宿泊してる宿の依頼をギルドを通してから受けるってちょっと変わってて面白いかなって。


「レント。デフォって何?」

「あ、うん。えっとね、本来はデフォルトって言って標準とか初期設定って意味があってそれが転じて当たり前とかそういう風に使うようになったんだ。」

「なるほど。」


うまく説明できたかな?

でも確かにこっちの人にとってはそうそう聞かない表現だよね。

リリンに聞かれて改めて実感したよ。

というか、なんでセフィアはスルーしたんだろう?

あ、ひょっとしてレイカーさんが持ってきた本にでも書いてあったのかな。

もしくはアカネか蒼井にでも聞いたのか。

まあ、今後はもう少し注意しよう。

後、異世界言語適応もう少し仕事しろ。


「ではこれでお願いします。」

「今回はダンジョン内で一泊するんですか?」

「はい。今後も潜る以上は避けて通れないてますから。」

「それもそうですね。ですが、気をつけてくださいね。新人を狙った迷賊が出ないとも限りませんから。それと、持ち物はきちんと補充してくださいね。ダンジョン内では何があるかわかりませんから。」

「はい。ご忠告ありがとうございます。」

「では、これを受理させてもらいますね。」

「はい。お願いします。」


カインにはない探索予定表を提出する。

受付嬢さんが言っていた所持品についても既にストレージ内に準備済みだ。

足りない物があるかもしれないがそれは今回の野営で表面化するだろうし、それも含めての訓練だ。

ここで出来ることは全部済んだので、いざ、ダンジョンへ。



ダンジョンへ入ろうとすると突然目の前に女の人が出現した。

ひょっとして帰還結晶を使ったのかな。

地面が光ってフオンって感じで出現するようになってるのか。

ちょっとかっこいいかも。

そう思っていると、その人は俺たちの方に駆け寄り縋り付いてくる。


「た、助けてくれ。な、仲間が、仲間が沢山の魔物に襲われているんだ。頼む。二人を、アレクシアとエルナを助けてくれ!」

「なん、だと!? どこだ! 二人は今どこにいる!」

「た、助けてくれるのか?」

「いいから早く場所を教えろ!」

「は、八階層の、中部、こ、この辺りだ。」

「八階層までの地図はあるか?」

「あ、ああ。全部持ってる。」

「門番さん! この人を頼みます。後、可能ならば捜索隊を出してください。」

「わ、分かった。」


「みんな、予定変更だ!」

「分かってる。二人を助けるんだよね。」

「ああ。二人は大切な友達だ。だから、絶対に助けてみせる!」

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