第302話 牛肉美味い的なお話

適当にブラブラとしながら店を眺め、気になるものがあれば店に入り買ったりしていると空腹感を感じた。

そんで時間を見てみれば既に12時を回っていた。

通りで腹が減るわけだ。


というわけで適当な店で昼食をする。

といっても店選びは俺がしたわけじゃないけどね。

折角商業都市に来たんだし美味しいもの食べたいじゃないって蒼井が言って嫁達が賛同したから。

そしてみんなが選んだのがパスタ専門店。

パスタ一筋二十年っていう謳い文句が書いてある看板が出ててそれは凄そうという事になって入った。


俺が選んだのはエレクトロブルとかいう魔物の肉を使った結構高い奴。

ブルって言うし多分牛系の魔物だと思う。

こっちの世界では畜産なんて発展してないから必然的に牛、豚、鶏という育てられ脂が乗ってたり、ジューシーな地球の三大肉なんて気軽に食えない。

まあ、鶏ではないけど鳥の魔物もいるし豚肉もシュヴァインフロッシュからもオークからも手に入るからそれほどでもない。

しかし、牛は違う。

今まで牛の魔物には出会ってないし、店売りでも見かけたことがなかった。

しかし、さっきの散策で肉屋に置いてあったのを見て思わず買ってしまい、その肉がここでも使われているのを見たらつい注文してしまった。


まあ、御託はいいか。

大事なのは味。

店で出してるし、値段も高いから不味いなんてことはないだろう。

ということで実食。

まず最初に肉だけを食べる。

美味い!

柔らかくジューシーで口の中に旨味が広がる。

パスタと一緒に食う。

これも美味い。

そのままがっつく。

そして半分ほど食った所で嫁達と分け合う。

そういう約束で高いこれを頼んでいいという許可を得たからな。

まあ、他のものも食べたかったしそれは構わないんだけど。


昼食を終えたら次は魔道具を探そう。

といっても何処にあるのやら。


まずは西側。

つまりはこの街に入ってきた門の近く。

そっちの方はパッと見だと雑貨屋や本屋、木工屋、アクセサリー商、金物屋といった生活必需品や嗜好品などの区画のように見える。

全部見たわけじゃないが、こっちの方にはなさそうだな。

まあ、探せばあるかも知れないけど。


とりあえず、ここは後にして東側の方も見てみる。

こっちにはギルドを筆頭に武器屋、金属製の防具を扱っている店、革製品の防具を扱っている店、薬屋といった冒険者向けの店が多く見える。


つまりこの街は西側が一般向け、北側が食事系、南側が宿泊施設や娯楽施設系、東側が冒険者向けって感じの構成か。

全部がそうとは思えないけど、簡単に分けるとこうなるのか。

って事は魔道具は冒険者向けの東側かな。

あ、でも、生活に使えるのが西側の方にあっても不思議じゃない。

うーん。

よし。

東側に行こう。

目的は魔道具だし、確率が高そうな方がいいよね。


東側を見て回っていくが、結構バリエーションに富んでいるな。

ポーションなどを扱っている薬屋はもちろん、そのポーションを作るのに必要な素材などを売っている素材屋。

同じ素材屋でも防具なんかで使える魔物の素材を売っている店もあれば、普通の布製品や魔法使いが来てそうなローブや帽子なんかも置いている反物屋もある。


そんな中、いっそう煌びやかな店がある。

やけに派手な色彩の看板を掲げ、そこには魔道具屋という文字が。

えぇ〜。

なんか、胡散臭すぎて入りたくないんだけど。

だからスルー。

こんな怪しい店、ボられるかも知れないしスルーするに限る。

君子危うきに近づくべからずってね。

あれ、これで合ってるんだっけ?

まあ、いいや。


そして更に探していると少々見た目がボロいが派手ではない魔道具屋を見かける。

こういうところの方が掘り出し物に出会えそうだよね。

そう思いながら店の中に入る。

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