第231話 父は下です。的なお話

自己紹介は続く。


「リリン。」

「「…………………それだけ?」」

「ん。」

「私はルリエって言います。実家は宿屋をやっていてその時に泊まりに来たお兄さんと知り合ってそれから仲良くなって結婚するようになりました。」

「私はアカネって言います。元貴族で今は唯のアカネです。レントの家の家事手伝いと冒険者をしています。」

「私はユウキと言います。風……蓮斗の幼なじみで冒険者をしていて居候させてもらっていて、ここにはまあ、友達が変な男に狙われてるって聞いてそれで。」

「そんな理由、初めて聞いたぞ。」

「だって、その、恥ずかしいじゃない。」

「それで、最後は……」

「私ですね。私はレイダと言ってレント様の奴隷をしていますが、とても優遇されており、自室まで頂いて本当によくしてもらっています。」

「奴隷って事はその、そういう、事、だよな?」

「いえ、そういう事は無いですよ。偶に奥様方に誘われたりはしますが……」


レイダさんが自分が奴隷だって事を言うとヨー兄? さんがそんな事を言ってきた。

まあ、奴隷だしそう考えるのは仕方ないだろう。

そしてその返答をレイダさんがするとこいつ何言ってんだ? みたいな目をセフィアに向けた。

自分の妹がそんな事を言うなんてそう簡単に信じられないよな。

俺も唯がそんな事を言ってるなんて知ったらそんな目を向けるだろう……………って唯にはまだ早い! そんなのお兄ちゃん認めないぞ!

と、話が逸れたな。


「次は私達ね。私はハンナ。よろしくねレントちゃん。」

「俺はヨーリス。えと、よろしくな、レント。」

「それで、レントちゃん達は何処に泊まる予定?」

「えと、とりあえず何処か宿でもとろうかと。」

「そう。本当は家に泊まって欲しいんだけど……流石にこの人数を泊まらせるほど部屋数が無いのよ。」

「それはしょうがないですよ。突然やって来たのはこっちなんだし。」

「大丈夫じゃないかな? 空き部屋は三つあるし僕達は一緒でいいしアカネちゃんとユウキちゃんが一緒に寝ればいいと思うし。」

「でも、ベッドに空きが無いわよ。」

「それも大丈夫。リリン。」

「ん。レントも来て。」


どうやら転移魔法を使って家からベッドを持ってくるようだ。

リリンと一緒に家に戻る時に後ろの方が騒がしくなっている気がする。


そして家からベッドをストレージにしまってから戻ってくると騒がしさが収まっていた。

どうやらセフィア達が説明していたようだ。

そしてセフィアの案内の元空き部屋にベッドを置きにいくが流石に使われてないからか少し汚れている。

なのでみんなで掃除をする事に。

そうして掃除をしているとセフィアのお父さんが起きてくる。


「えっと、どうしたんだ?」

「レント達に泊まってもらうからその為に掃除してるんだよ。」

「は? え、どういう事?」

「ああ、お父さんちょっとどいて。そこ掃くから。」

「お、おう。」


なんか扱いが少し雑だ。

何処の世界でもこういう事ってあるんだな。


そのあとも作業を続け、無事に掃除が終わった所で公共浴場、つまり銭湯に向かう事を勧められる。

どうもここは温泉が湧いているらしく、それ目当ての客がくるくらいには人気があるようだ。

異世界温泉は凄く楽しみなのでワクワクしながら向かう。



異世界温泉は石造りでとても広く、気分良く浸かれました。


セフィアの実家に帰るとそこには豪勢な料理が並んでおり、歓迎してもらう。

その際にセフィアのお父さんに名前を教わる。

レウィンと言うそうだ。

そしてハンナ義母さんの料理を楽しんでいると時々レウィンさんからきつい視線を貰うが、その度にハンナ義母さんからレウィンさんにさらに厳しい視線が贈られ縮こまっていた。

どうやら家族内カーストではハンナ義母さんの方がレウィンさんより上なようです。


そんな感じで夜を過ごして、セフィアん家で眠りにつきます。

そういえば、なんでレイダさんが一人なんだろう?

まあ、いっか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る