第207話 一閃両断的なお話
スキルの本と木魔法に絶望してから一週間。
あれから俺達は毎日のように模擬戦をしていた。
アカネが休みの日には相手をしてもらったり、行きずりの冒険者に嫉妬からくる怒りをぶつけられて返討ちにしたりしていた。
その甲斐あって俺の片手剣スキルもLV5になった。
しかしこの成長度はかなり凄いらしく、周りにはあまり言わないようにとセフィアに注意された。
ちなみにそのセフィアだが、双剣のLVが6になってたりする。
そしてリリンは7だ。
セフィア達も注意しようね。
LV4で流水の構えという受け流しのアーツを、LV5で飛閃という斬撃を飛ばすアーツを覚えた。
そう、斬撃を飛ばすのだ。
ブ◯ーチの月牙◯衝や犬の日々の烈空のような事ができるという事だ。
なんてロマンがあるのだろう。
とはいえ、斬撃を飛ばすなんて模擬戦で使おうものなら大変な事になる。
と、いうわけで、魔物退治の依頼を受けよう。
実際に使ってみて、魔力消費や大きさに威力なんかを検証したいし。
「それで、どうする? 折角近接戦闘のスキルのLVが上がったんだし、魔法無しの魔物の方がいいかな?」
「そうだなー。じゃあ、これとこれでいいかな?」
「何々、ドライブゴートとブレードマンティス。ねぇ、レント。ドライブゴートがどんな魔物が知ってるの?」
「いや、知らないけど。」
「この魔物ね、火を纏って突進してくるんだって。しかも角が凄く大きくて鋭いんだよ。」
「なにそれ。怖いな。」
「どうする?」
「うーん。いつかは戦うかもしれないんだし、やっとくべきなんだろうけど……うーむ。どうしよう?」
「悩むならやろ。」
「そうだね。やろっか。」
「よしわかった。やろう。あ、でも、初見の魔物なんだし見つけても暫くは様子を見ような。」
「うん。」
「ん。」
そして街を出て魔物を探す。
先ずはブレードマンティスだ。
こいつの鎌は刃になっているから流水の構えを実戦で試すにはもってこいだ。
一応木剣では試してみたけど、実戦投入できるかはこいつで試してからだ。
しかし、なかなか出てこないな。
オークにコボルトにゴブリンにブラックホッパーにクリムゾンベアと色々出てくるが肝心のブレードマンティスとドライブゴートは全然見当たらない。
そうこうしているうちにお昼になってしまった。
仕方ないので見晴らしのいいところに移動してお昼ご飯でも………と思った所ででっかいカマキリ、ブレードマンティスがいた。
このタイミングで出てくるかねぇ〜。
まあ、いいや。
さっさと倒そう。
先ずは流水の構えをする。
剣の握りを甘くしてぷらぷらとする感じで構える。
そして振り下ろされる鎌を相手の動きに合わせるようにして受け流す。
受け流した時に横に落ちた鎌をタメに使ってそのまま飛閃を放つ。
「おお。本当に出た!」
飛んで行った飛閃はカマキリの首を斬り落とした。
凄いな。
でも、魔力消費は20だし多用はできないかな。
「さて、カマキリも倒した事だし、お昼にしようか。」
「それは、うん。別にいいんだけど、僕達の出番なかったね。」
「ん。退屈。」
「あ、ごめん。まさかあんなに簡単に倒せるとは思っていなくて。」
「次は僕の番だからね。」
次って……ブレードマンティスの依頼は一匹だけでいいんだぞ。
そんなに倒す必要はないはずなんだけど……まあ、いっか。
お金欲しいし。
見晴らしのいい所でお昼を食べて、俺達は探索を再開した。
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