第201話 何がどういうわけ!? 的なお話
「それで、昨日言ってたことなんだけどさ。」
「ああ。あの池乃め◯かがどうのこうのって奴か。」
「だから、そんなこと一言も言ってないでしょ!」
「あれ? 違った?」
「全然違うわよ! これの事よ。」
蒼井はそう言うとアイテムボックスからダンジョンで手に入るあのメダルを出していく。
それはいいんだけど、朝食を食べ終わってからにしようよ。
「行儀悪いからそれは後にしようね。」
そう思っていたらセフィアが注意した。
蒼井はそれを受け入れたようで取り出していたメダル達を再びアイテムボックスにしまうと朝食に戻った。
「改めて、これってなんなの?」
朝食を終わらせた蒼井は改めてメダルをアイテムボックスから取り出すとそう訊ねてきた。
何って訊かれてもメダルにしか見えないと思うんだけどな。
「何ってメダルだけど。」
「そう言うことじゃなくて。何か意味があるんじゃないのかって事よ。」
「全部集めると何か一つスキルが手に入る。」
「………………はい? それって本当なの?」
「本当も何も作った本人に聞いたし。」
「そ、それで、全部でいくつあるの?」
「さあ? それは聞かなかったな。ちなみに俺が持っているのこんだけだ。」
そう言いながら俺は自分のストレージから今までに手に入れたメダルを出していく。
しっかし、結構あるな。
えーと、ゴブリンにオークにシュヴァインフロッシュにスライムにコボルトにコボルトロードに……
「随分といっぱいあるわね。これじゃ全部集めるなんて無理じゃない?」
「そうでもないと思うぞ。結構ダブってるし。あ、そっちのも見せてもらっていいか?」
「いいよ。私も見せてもらうし。」
そうして見せてもらうと基本的には俺が持っていたものと同じだったが、たった一種類だけ、違うものがあった。
というかこれって、あの可哀想な魔物のやつじゃね。
「これって、ひょっとしてメタルスライムのメダルか?」
「んー、そうそう。経験値たくさん手に入るかと思ったんだけど、全然だったんだよね。」
「あいつはとっても可哀想な奴なんだよ。」
そうして俺はあいつについて蒼井に説明すると蒼井はこんな感想を述べた。
馬鹿な魔物もいるんだね。
まあ、そう言う見方もできるけど、でもそれはいくらなんでも可哀想じゃね。
「レント。これ。」
「これどうしたんだ、リリン?」
「試験の時に手に入れたの。見せるの忘れてて。」
そうしてリリンが取り出したメダルを手に取ろうとすると突然メダル達が光り輝く。
これってひょっとして。
そして光っている他のメダルが集まってきて、それらが一つの塊になると小さな人型になった。
それは一言で言えばデフォルメされたアリシアさんだった。
「やっと一人目なの。全くいい加減にしてほしいわよ。どいつもこいつも売ったり鋳潰したりしてさ、誰も私を呼びだないんだから。」
どうやら性格は違うみたいだ。
「えっと、君はスキルを与える精霊か何かって事でいいのかな?」
「私は女神アリシアにより力を授けられし眷属よ……って、ふーん。あなた随分と面白いじゃない。」
「え? な、何が?」
「あなた、名前は?」
「レント……風見蓮斗だけど。」
「レントね。あなたの事少し気に入ったわ。というわけでこれからは時々遊びにくるわね。」
何がどういうわけでそうなるの!?
というか、仕事してよ。
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