第125話 新しい称号的なお話
第二層に続く階段を降りていく。
その時にふと時計を見て気づく。
既に12時を過ぎている……つまりはお昼時であるという事に。
さっきの内にお昼ご飯食べとけば良かった。
休憩中にちょこちょこ食べていたから空腹ではないけど、次の休憩でちゃんとお昼を食べないとな。
二層に降り立つと早速お客さんだ。
今度はラットだ。
ラットは六匹の群れでやって来たが、リリンがサクッと減らしてからルリエとレイダさんに回している。
その減ったラットをレイダさんが一突きで倒す。
ルリエはすばしっこく逃げるラットを必死になって追いかけている。
うん。
和むなぁ〜。
暫く追いかけているルリエを眺めていたが、少しバテてきていたのでリリンが蹴ってルリエの方に飛ばし、それを倒してた。
俺、殿だから手伝えないんだよね。
バテてるルリエの為に小休憩してから先に進む。
すると前方に他の冒険者さんがいる。
その人達はどうやらゴブリンさん達と戦っているようなので邪魔にならないようにそそくさと通り過ぎる。
横取りすると思われて諍いを起こすべきではないし、男の人だったので嫁さんを変な目で見られたくないしね。
割合では諍い回避が2で変な目が24だけどね。
合計がおかしい気がするが嫁さんは三人いて三倍だから問題ない。
そんな事もあったがそれ以外では魔物が出てくるだけで順調に進み、少し広くなっている所で休憩する。
お昼にしようかと提案してみたが、ここだと煙が篭ってしまうために必然的に屋台の物になる。
なのでちゃんとしたものを食べる事が出来ないというとリリンが少し摘んで、広間で食べようと言う。
それに賛同するのが俺だ。
提案したのは俺だろ! と思わなくもないが屋台の物よりも嫁の手料理がいい。
そう力説したらセフィア達嫁が赤くなりながらも賛同する。
というわけで軽く摘む程度に留めて探索に戻る。
早く嫁の手料理が食べたいので急ぎたい。
そして急ぎたいと思うのは俺だけじゃないようで、心なしかセフィア達も足早だ。
ただその成果か、魔物の殲滅速度が少し上がっている。
愛されていると感じるので顔がにやけてしまうな。
だから、お前らは邪魔をするな!
後ろからやって来ていたゴブリン達を怒りに任せて殲滅する。
魔石とドロップアイテムを回収するとすぐにセフィア達の後ろにつく。
そうしてズンズンと進んでいき遂に階段前広間にたどり着く。
以前松明に使えるかと思って拾ってた木の枝を幾つも取り出してそれに火を点ける。
そして食材とかをセフィア達に渡す。
作れる人ばかりなので火にかけること以外では時短が出来ておりあっという間に出来上がる。
ダンジョンでこんな普通の食事ってなんか可笑しいねとルリエが言うがそれでも好きな人の出来立てご飯の方が心も身体も温まるので俺はこっちの方がいい。
認識阻害効果のある魔道具を使いながらみんなで食べる。
そうして楽しい食事が終わるが既に三時近くになってしまっている。
今回はルリエ達のレベル上げだった為にいつもより時間が掛かっている。
今から三層は流石に時間がかかり過ぎるのでここで引き返す事になった。
レイダさんが若干駄々を捏ねるがアカネ一人が留守番しているのにそれは流石にかわいそうだと説得して引き返す。
そうして先ほど戦っていた人達とすれ違ったりしながらも入口へと向かい、三時間かけて外に出る。
ふぅ。
殿ってのも精神的に疲れるものだな。
そして何の気なしにステータスを見たら嫁の手料理を渇望する者という称号が増えていた。
うん。
まあ、否定は出来ないね。
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