第124話 ルリエの初戦闘的なお話

初心者ダンジョンにリリンの先導で入っていく。

ギルドに申請とかしなくても大丈夫だよね?

いや、大丈夫な筈だ。

だってこのダンジョンの成り立ちがそもそもLVを上げて死亡率を下げるのが目的だったから。

石碑にも書いてあるし、特に止められなかった。

だから大丈夫な筈だ。

……駄目なら後で謝ろう。


そんな事を考えるがみんな中に入ったので、考えるのを止めて俺もダンジョンに入っていく。


ダンジョンの構成は基本的に一〜三層までが洞窟型で四〜六層が洞窟に罠が追加されている。

七〜九層までが遺跡みたいになってる。

十層はボス部屋だ。

今回は取り敢えず三層までだから特に問題は無いだろうがイレギュラーが起こらないとも限らない。

まあ、このダンジョンなら無いだろうが。


そうして暫く進んでいるとついに魔物と遭遇する。

メイズワームだ。

ダンジョンの魔物は死体が残らないとはいえ、最初に虫はあれかな〜。

と思ってたらレイダさんが槍で一突きして倒した。

まあ、レイダさんは多少レベル高いし、これくらいなら問題なく倒せるよね。

虫だからためらうなんてこともなかったし。……トカゲさんだからってことはないよね?


一方のルリエはダンジョンの魔物が霞となって消える所を初めて目撃したのか少し驚いている。

ちょっとかわいい。


一匹だけだったし、一突きで終わったので休憩する事なく進んでいく。

次に出てきたのは魔物の定番のゴブリンさんだ。

いつもなら俺が一気に近づいて首スポーンで終わらせるが、今回はルリエとレイダさんのレベル上げが目的だから眺めるだけだ。


レイダさんはゴブリンの棍棒を槍で受け流すとそのまま石突きで攻撃する。

そのままの流れで足を刃の部分で一突きする。

そしてゴブリンが膝をついて隙だらけになった所をルリエが後ろから近づいていき短剣を首に一突きする。

それが止めだったようで霞となって消える。


あ、メイズワームだ。

後ろの方からメイズワームがにじり寄って来ていたのでストレージから投擲用のダガーで倒す。

……三回ほど外したが。

投擲スキルを覚えたいな。

こっそりダガーとか短剣とか投げて倒すってかっこいいのに外してたら意味無いからね。


メイズワームを倒したので改めてルリエの方を見てみるが、魔物を倒した事に対する忌避感とかは無いようで普通にしている。

料理する際に生きている食材に包丁を突き入れていく事もあるからかな?

そんな事を思いながらも投擲したダガーや魔石を回収する。


それからも戦闘を行いながら進んでいくと行き止まりに遭遇する。

あっちの道だったか。

ダンジョンは洞窟っぽい所な為にこういう事もある。

道を戻って再び探索をする。


ダンジョンに入ってから一時間が経った。

そろそろ休もうかな。


「ちょっと休憩しようか。」

「私はまだまだいけますよ。」

「いや、レイダさんは大丈夫でもルリエは初ダンジョンだから。」


レイダさんが若干ごねたがそこは奴隷という事でルリエを優先するみたいだ。

というかイキイキし過ぎている気が。

奴隷ってもっと悲壮感に溢れているものじゃないの?

まあ、個人的にはこっちの方が気が楽だからいいんだけどね。


ここに来るまでに買った花蜜のお菓子でエネルギーを補給して少し休んでから探索に戻る。


それからもう一度休憩を挟んだりしつつ進むと二層に進む階段前の広間にたどり着く。

先客もいないのでここで軽く休むとしよう。

ここで出したのはラビットの串焼きだ。

タレが美味しいけど塩でも食べたいな。


休憩を終えて立ち上がる。

さてと、二層に向かうとしますか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る