第75話 改良します。的なお話
というわけで街の外に来ました。
昨日作った新魔法の調整やら改良をしたいから。
実はあれ、MP六十くらい使ってたんだよね。
だからもう少しコストを抑えたいし、滞空させて近接攻撃の合間合間に弾幕みたいにして攻撃してみたいし。
それにリリンのランスからコスト削減のコツとか聞きたいし、今日は忙しくなるかも。
そんなわけでセフィア先生とリリン先生の魔法講座を受ける。
……あれ?
練習するはずなのに、なんでだろう?
まあ、いいか。
教わった方が速く理解出来る。
「先ず、呪文が長い。」
「ぐふっ!な、長いですか?」
「うん。呪文は魔法発動の補助となるけど、呪文が長ければ長い程魔法構築に魔力を使うんだよ。だから呪文は出来るだけ短くするんだよ。勿論、呪文が長い方がいい事もあるんだけどね。例えば、より強固にしたり、複雑な魔法を使うときとかはね。でも今回のは、そうだなぁ〜『炎の剣兵よ、我が敵を焼き砕け』とかかな?」
「私のアクアランスは魔力だけでなく、空気中の水分も集めて使ってるからコストが少ない。」
なるほど、俺は今まで魔力オンリーで魔法を使っていたけど、リリンみたいに酸素を使って燃やせば魔力消費を抑えれる訳か。
ていうか自然ありきの木魔法を使うのになんで気づかなかったんだろう。
「なるほど。勉強になりました。セフィア先生、リリン先生。」
「ん。」
「どういたしまして。…なんちゃって。えへへ。」
「ははは。」
「ふふっ。」
◇
先ずは一本で練習。
『炎の剣兵よ。』
そう呟き、炎の短剣を作る。
しかし、魔力だけで酸素を消費してる感じはしない。
うーん。どうするか?
小さめに作ってそれを酸素で大きくするイメージでやってみるか。
でもその前にこいつを…とりあえずあの道にでも撃っとくか。
木とか草だと怖い、火事が。
出来るだけ速く、行けっ!
そして放った炎剣は昨日のボスの時より速かったけどその代わりに道に刺さる前に消えてしまった。
うーむ、成形も考えないとな。
よし、先ずは小さめに作って、これを酸素で大きくする。
大きく…大きく…うわっ!
MPがぐんぐん吸われてる。
そんで大剣くらい大きくなった。
これを自在に動かすというのもかっこいいと思うけど、今は短剣の方が先だ。
でも、やっぱり魔力だけだ。
この大剣への魔力供給を止めると徐々に小さくなっていく。
短剣サイズになったら維持の為に再び魔力を流す。
そして眼を瞑りイメージする。
周囲の空気を使って短剣が大きくなる。
イメージ…イメージ…。
そして恐る恐る眼を開けると刃の部分の炎の勢いが少し強くなっていた。
よし!この調子だ。
酸素を集める…酸素を集める…。
そして少しずつ大きくなっていくが、形がぶれていく。
その形を整える為に魔力を使う。
そうして苦労して漸く満足いく大きさと形になった。
でも、まだ一本だけなんだよなぁ。
これを少なくとも十本は作らないと。
そう考えるとやっぱり最初は呪文で補助した方がいいかな。
えーと、
『炎の剣兵よ、大気を糧とし、……炎を猛らせ敵を焼き貫け。』
お、消費量が減ってる。
この方向性で行って徐々にならして、最終的には無詠唱で出来るように頑張ろう。
けど、結構MPが減ってる。
少し休憩しよう。
買い込んでいた果実水を出して、と。
さて、セフィア達の練習はどうなってるかな?
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