第73話 ボス戦終わりました。的なお話
肥大化した両腕からどんな攻撃が繰り出されるかと警戒していると
「ギャオオォォ!!」
と叫び、火の玉を生み出し、それを飛ばして来た。
あれ、両腕は?
てっきり怒りに任せて剛腕を振り回してくると思っていたから少々面食らってしまったが、きっちりと回避する。
回避した後、デカルトは更に吼えると両手の爪がジャキンと伸びその爪に炎が灯る。
あれは痛そうだ。
デカルトは俺を狙って燃える爪を振ってきたので間合いの外へと躱す。
おお、火が爪痕を残しててなんかかっこいい。
デカルトはそのまま攻撃を続けてくるのでひたすらに間合いに入らないように注意しながら躱す。
しかしこれでは俺は攻撃出来ない。
なので攻撃はセフィア達に任せて俺は回避と新しい魔法のイメージを固めてよう。
今使えるのは大してダメージを与えれないだろう。
ならばどうするか?
ただの火の塊を放つのではなく、圧縮して貫通力を上げよう。
となれば定番の槍か?それとも矢か?
ダガーのような物を連続して撃ち込むのもかっこいいな。
よし、そうしよう。
俺が回避しているあいだもセフィア達は攻撃の準備をしている。
俺も合わせて発動出来るようにイメージするのを続ける。
な○はのフ○イトちゃんのランサーのような速く鋭い連撃。
あるいはF○teのフェイカーさんの空中投影した宝具。
それらをイメージして魔法を創造する。
セフィア達の魔法が発動する。
アースピラーが攻撃しつつデカルトを囲い、リリンのアクアランスが上空から飛来し串刺しにしていく。
この攻撃に合わせて俺も魔法を使う。
イメージの補助になるように即席で呪文も唱える。
『我が魔力によって生まれし火の剣兵達よ。その猛き焰によって我が敵を焼き砕け。』
《ブレンネンドルヒ》
二十本の炎の短剣が空中に浮かび連続して撃ち出されていく。
そしてその短剣はセフィアのアースピラーを砕き、霞となって消えていくデカルトを貫通していく。
……ってあれ?
霞?
ーズガガガガッ!!
貫通した炎の短剣は後ろの壁に激突し、暫く燃えていた後、消えていった。
そして辺りを静寂が支配する。
「えっと、レント。今のは?」
「新魔法?」
「えっと、一応そうです…。」
恥ずい。
カッコつけて呪文とか唱えちゃったし、おまけに技名をドイツ語にするし。
それなのに不発とか。
超恥ずかしい。
「と、とりあえず、戦利品を回収しよう。」
妙な空気に耐えられず、そう切り出して話を流す。
そして野球ボールくらいの魔石とドロップアイテムをストレージに仕舞う。
するとアースピラーの陰て見えなかったが宝箱が出現していた。
クリア報酬かなと思い、中を覗くと、三つの鉱石と三つのプレートが入っていた。
それぞれ一つづつ持って確認しようとすると突然足下が光り、思わず目を閉じてしまう。
そして恐る恐る目を開けると俺達はダンジョンの入り口に立っていた。
どうやら無事にクリアしたようだ。
だが、既に空は赤くなっており、直ぐに暗くなるだろう。
急いで宿に戻らないと。と思い走る。
べ、別に恥ずかしいからって逃げてるわけじゃないし。
ギルドに行くのは明日にしよう。
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