第60話 宝箱はワクワクします。的なお話

探索を再開して直ぐにとある物を発見する。

宝箱だ。

ゲームなんかでよく見る金属で枠を作りそこに木の板で箱を作る感じのド定番のやつ。


「これって宝箱だよね。」

「…ん。でも。」

「うん。ミミックかもしれないよね。レイカーさんが持ってきた本に出てた。」


うん。

嫁さん達が日本文化に毒され始めた気がする。

でも、受付の人から初心者ダンジョンではミミックが出現したことは無いって聞いてるんだよね。

いないとは言ってなかった。

他のダンジョンでは出るのかな?


「えっと、受付の人から聞いたんだけど、初心者ダンジョンではミミックが出現したことは無いって言ってたから、今回は大丈夫だよ。」

「そうなんだ。じゃあ、開けるね。」

「ん。」


セフィアがじゃーんと言いながら宝箱を開ける。

顔にはワクワクと書いてあるしリリンも開く所を興味津々といった感じで覗き込んでいる。

やっぱり宝箱は人々を興奮させるのかな。

俺もそうだし。


中には薄いオレンジ色をしたポーションのような物が入っていた。


これ、なんだろう。

普通のポーションは緑系だし、MPポーションは青系だ。

何故○系かというと、効果が高いほど色が濃いらしく、その結果色が変わる為系統で区別する。

しかし、これはオレンジ系だ。

オレンジ系なんて店では見たこと無いぞ。


「リジェネポーション。薄いけど。」

「これが何か知ってるのか、リリン?」

「ん。普通のと違って微量だけど、一定時間継続回復する。」

「結構、便利そうだな。一本しかないし、取り敢えずセフィアが持っといてよ。」

「え、僕?」

「この中で一番DEFが低いからさ、念のためだよ。」

「…はあ、分かったよ。でも、ヤバそうになったら、二人にも飲ませるからね。」

「ああ、分かった。」

「ん。」



それからも順調(?)に進んでいく。

途中何度か行き止まりに行ってしまったがそれでも、怪我なく進めている。

そして、そろそろ下に行く階段かなんかが見つからないかなと思っているとブヒーという豚の鳴き声が聞こえた。

オークか?と警戒したが出てきたのは黒いカエルだった。


ブヒー?


普通カエルならげこげことかケロケロだろう。

とはいえ、実際にブヒーとかプギーとか言いながら突進してきたからひらりと躱す。

うーん、遅いね。

これなら楽勝かなと思って振り返ると口から水の球を吐き出してきた。

魔法を使う魔物は初めてだ。

といっても口から出してるから軌道は分かりやすいので、余裕で躱せる。

というかくらいたくない。

だって口から出してるし、汚いよ。


そんなわけでセフィアにサンドショットを攻撃の隙に撃ち込んで貰い倒す。


すると、カエルは魔石と共になんか包みを落とした。

バナナの葉の包みみたいで開けて中を見ると何故か豚肉のブロック肉のような物が入っていた。


「えーっと……。」

「「……………。」」

「さて、先へ進もうか。」

「そ、そうだね。」

「…ん。」


なんか…リアクションに困る。


その後直ぐに下の階層に降りる階段がある広間に出た。

魔物は居なかったのでそこで少し休んでから下の階層に行った。

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