第51話 美人の絡み酒的なお話
「今日はここまでにしよう。」
「あ、ありがとう、ござい、ました。」
「うむ。セフィア君とリリンもお疲れ。」
「お疲れ、さま、です。」
「疲れた。」
初めての稽古が終了したが、俺とセフィアはへばってしまっている。
それに対してリリンは経験者という事もあり余裕という程では無いが平然としている。
俺なんか後10分は動きたくないのに。
◇
動けるようになってから、ギルドを出て宿に向かう。
リィナさんも同じ宿なので一緒に帰ってる。
「さて、明日の事だが、どうする?」
「どうするとは?」
「なに、レント君とセフィア君はおそらく明日は疲労で訓練どころでは無いだろうと思ってな。ならば明日は休みにするか、余裕があれば勉強会でもしようかと思ってな。」
「そういうことですか。そういう事ならセフィア達と少し相談する時間を下さい。」
「いいぞ。」
時間を貰った俺達は意見交換をする。
「俺としては、内容によるけど出来るなら勉強会にしたいと思ってる。セフィア達はどうする?」
「適度に休めるなら、僕は勉強会をやってもいいと思うけど。」
「私も賛成。」
「そう言うわけなんで、お願いします。」
「分かった。」
明日の予定が決まったところで丁度宿に着いた。
どうせなので、夕食もリィナさんと一緒に頂いた。
その際話してみると意外と話しやすく、話が盛り上がった。
その話の中で訓練中は呼び捨てだったのに今は君付けにしてる理由を聞いた。
「稽古中は一応教え子と教師の関係だからな、教える側が君付けで呼ぶのはどうかと思ってな。それに稽古以外の時は弟子の友人を呼び捨てにするのも流石に失礼だと思ったんだ。」
「そういう理由ですか。でも、俺は普通に呼び捨てにして欲しいですけど。教わる側なのに、なんか他人行儀というか距離をかんじるんで。」
「む、そうか。」
「僕も呼び捨てにして欲しいです。」
「分かった。レント、セフィア。」
◇
夕食が終わっても雑談は進み、リィナさんの酒も進む。
「どうして、私には恋人ができないんだぁ〜。やっぱりお前もセフィアやリリンのような可愛くてか弱い女の方がいいんだろぉ〜。私のようなか弱くなくて大きい女は嫌だよなぁ〜。」
リィナさんはどうやら絡み酒のようで俺にこんな事を愚痴ってきた。
セフィアは160cmくらいでリリンは145cmくらいだ。
その二人と比べてリィナさんは170cmくらいはあり、女性としては背が高い方だろう。
俺と並んでも殆ど差がない。
しかし、リィナさんは可愛い系ではなく綺麗系でポニーテールも似合い、好きか嫌いと聞かれたら大好きと言えるだろう。
「リィナさんは美人だから、声掛けづらいんですよ。きっと。俺もセフィア達がいなければ声掛けてたと思いますし。」
「だったら、お前が貰ってくれよぉ〜。」
「いや、だから俺にはセフィア達が居ますって。それに酔った勢いでそういう事は言わないで下さい。」
結局、リィナさんが酔いつぶれるまで絡まれ続けた。
寝てしまったリィナさんはルリエちゃんとリリンの二人が部屋にはこんだ。
そして俺達は自分達の部屋で休むが、稽古の疲労と絡まれた精神的疲労であっさりと意識を手放した。
おやすみなさい。
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