第12話 美少女先生的なお話
朝。
即ちそれはデートを意味する。
じゃなかった、今日はセフィアとのデートの日だ。
ただ露店巡りするだけだしデートしようと言われた訳ではないが、年頃の男女が外に遊びに行く事をデートと言っても何の問題も無いはずだ……多分。
前世というか前の世界では全く縁が無かったから恋人やクラスの可愛い女の子と一緒に遊びに行くとか憧れてたんだよな。
図書館で一緒にテスト勉強したり、映画観に行ったり、ウィンドウショッピングしたりとか。
まあ、テスト勉強じゃなく魔法の練習だし、何の魔物かわからないグロい素材を売ってる露店があるがしれないが、多分デートだ。
というわけで俺は起きる。
セフィアに起こされて。
まあ、昨日は楽しみ過ぎて寝付けなかったし仕方ないよね。
そして食堂での朝食を終えて、冒険者ギルドに向かう。
訓練所にてセフィア先生による魔法講座を受けようと思う。
セフィア先生の説明は分かりやすい。
あいつみたいな感覚派じゃなくてちゃんと理解しているからこその説明だ。
名選手が名監督になれるわけではないと言われるが名監督になれないのは感覚派の人だと思う。
セフィアの説明をまとめると魔法には幾つかのランクが存在し、魔術級、魔法級、魔導級、精霊級、神級とありスキルレベルが0〜3が魔術級、〜5が魔法級、〜7が魔導級、〜9が精霊級で最後の10が神級となる。
そして大抵の人が魔術級で才能がある人が魔法級、天才と呼ばれる人でも大半が魔導級だそうだ。
他にも特殊な魔法があるがその辺の事はわからないし、そもそも素質を持つ人自体少ないから教える事が出来ないそうだ。
そして魔法についての説明が終わり、実践練習に入る。
先ず始めにやる事は自分の中の魔力を感じることから。
「じゃあ、目を閉じて僕と両手を繋いで。今から蓮斗に魔力を流すからその流れを感じて。」
「わかった。」
女の子と手を繋ぐなんて久しぶりでドキドキする。
中学の入学したての時にやったオリエンテーリングの時以来か?
ヤバイ。顔が熱くなる。
それにセフィアの手が柔らかくてそれで……
「集中して。」
「は、はい。すみません。」
反射的に謝ってしまった。
それはともかく、今は手の柔らかさを……じゃなくて魔力を感じることに集中だ。
意識を集中させるとセフィアの手から違和感が。
なんというか熱が流れてくるような上手く言えないけどそんな感じがする。
「何か感じた?」
「熱の塊の様なものが流れてくる気がする。」
「それが魔力だよ。どう?自分の中にもその熱を感じることが出来る様になったと思うけど。」
「確かに胸の奥に感じる。」
そう言って胸の中心部に手を置いて意識を集中させると魔力を感じることが出来る。
「それじゃ魔法の実践をしようと思うんだけど、属性は何かな?」
「俺の属性は木だ。」
「……ごめん。ユニーク属性だから、教える事が出来ないや。」
「俺もなんか……ごめん。」
やべぇ。
気まずくなった。
なんとかしないと。
「じゃ、じゃあ他の普通の属性を教えてくれないか?火や風とか?」
「う、うん。わかったよ。まず、魔法に大事なのがイメージなんだ。スキルを確認すると使える魔法が書かれてると思うけど、それだけで使えるという訳じゃなくて、スキルアシストで発動する事は出来るけど、更にイメージ次第では使う魔法に変化を与えることが出来るんだ。例えば、こんな感じ。」
そう言ってセフィアは右手で冷たい風を出した後、左手で温かい風を出した。
「風の温度を変えたり、攻撃魔法でもこうやって変化させたり。」
そして魔法の的に使う藁人形に手を向けて魔法を発動する。
すると藁人形の首が飛ぶ。その後藁人形の真ん中に穴が開いた。
「今のはウインドカッターっていう魔法なんだけど、一回目のが基本の形で、二回目のが螺旋状にして貫通力を上げたんだ。」
「凄いな。でも、それで盗賊を倒せたんじゃないか?」
「えっと、盗賊の人数が多くてね、全員倒すだけの魔力は残って無かったんだ。だからあの時は逃げるしか無かったんだ。」
「そうだったのか。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます