第11話 遠足前のあれ的なお話
「すごい、すごい!トライデントボアを倒しちゃったよ。最初は自分を囮にしてるのかとおもってたけど、あんな方法で倒すなんて僕びっくりしちゃったよ。」
「まあ、俺も牙と角が刺さったのには、びっくりした。本当は少しでもいいから足止め出来ればと思っていたんだけど。」
「じゃあ、そろそろ帰ろっか。最後のには驚いたけど、依頼の品も揃ったことだし。」
「そうだな。じゃあ、帰るか。」
「うん!」
そうしてパーティーでの初クエストを無事完遂することが、出来ませんでした。
理由としてはDランクの討伐依頼として出されたりするトライデントボアを冒険者なりたての2人組が倒したなんて信じられなかったからだ。
それも大きな怪我どころかかすり傷すらみられないから余計に疑われる……他の冒険者に。
ギルドの人は依頼を受けたわけではないし、驚きはしたが買取だけなので問題ないというスタンスだが、他の冒険者がやたらと絡んでくる。
他人の獲物を横取りしただの嘘つきだのやたら騒ぐものだから、随分とギルドに迷惑をかけてしまった。
結局、門番の所でもみた嘘発見器的な水晶(真偽の水晶というらしい。)を使う羽目になった。
Cランク以上になると倒した魔物の数が分かるギルドカードになるらしい。
早く上に行きたいものだ。
ギルドでの騒動が原因で露店巡り(デートだといいな。)でもしようと思ってたのに予定がパーになってしまった。
そんなわけで俺らは宿で武器の手入れをしている。
といっても現代日本に住んでいた学生がやり方なんて知るはずも無いので、現在進行形でセフィア先生による武器の取り扱い講座を受け、セフィア先生のお手本を見ながら、武器の手入れをした。
武器の手入れが終わったところで、明日の予定について提案する。
そう、異世界ファンタジードリームプロジェクトの第一歩を。
「明日の予定なんだけどさ。」
「うん。」
「魔法の使い方を教えてくれない?」
「どうしたの、急に?」
「今日の依頼さ、ちょっとヤバかったでしょ。だから、すこしでも使える手札は多い方がいいかなと思ってさ。」
無論それだけではなくやっぱり魔法のある世界に来たんだから誰だって使ってみたいと思うだろう。
それに微レアとはいえユニーク属性もあるわけだしな。
「うん。それがいいと思う。じゃあ、明日はギルドに行ってステータスの鑑定に行こっか。属性だけなら魔法ギルドでいいんだけど、丁度いいしステータスも測ろうか?」
「いや、属性はもうわかってるから。と、というか時間の無駄になるからまた今度にしようよ。」
もしも称号とか見られたら騒ぎになるかもしれないし、ステータス鑑定は今は避けるべきだ。
「そういや、魔法って属性があるのだけしか使えないのか?」
「ううん。そんなことないよ。練習したり、レベルが上がって属性が増えるなんてのはよくあるし、でも使える属性数は人によるけど
上限があるみたい。ひとつだけの人もいれば、複数の属性を持っている人もいるから、その辺はよく分からないみたい。」
「そっか。」
もしも固定だったらやばかった。
スキルガチャで増えて、うっかり人前で使ったら大変なことになってたかもしれないし、固定じゃなくて本当に良かった。
「じゃあ、とりあえず明日は簡単なのから頼める?属性はセフィアも使えるから教えやすいだろうし風からやってみようかな。」
「うん、分かった。魔力にも限りがあるし、それが終わったら今日出来なかった露店巡りをしよっか。」
「そうするか。」
うおおおお、デート再び!今までデートなんてしたことなかったし人生初だ……一回死んだけど。
雑貨とかマジックアイテム等の掘出し物がないか探すだけだけど、ちょー楽しみだ。
その後、食堂で夕食を食べ、のんびり過ごし、身体を拭いてベッドに入ったけど楽しみ過ぎてなかなか寝付けず、軽い寝不足になった。
お約束だよね。
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