第40話 VRものだったらまるで掲示板のような1話
「クリームってすごいな……。未だに生える様子もないとは、これはなめてたわ……」
風呂に入り、髪も乾かし終わり、脱毛クリームの凄さに改めて実感していたら、机の上でスマートフォンが鳴り続けているのが見えた。
「電話か? ん? うわっ! 通知多すぎだろ!」
そこに表示されていたのはグループのトークが100件以上溜まっているという通知だった。そのトークは江橋さんや一ノ瀬さんが入っているあのグループだ。
……家族グループ以外ではこのグループしか存在しないから元々一択だったとは言わないでおこうか。
とりあえず全て読むのは大変そうだから、途中から会話に入ることにする。
『風呂から上がったらめちゃくちゃ通知がたまってたんだけど、何の話をしているんだ?』
『お! 静哉も来たか! 来ないと思ったら風呂に入っていたわけか』
『めちゃくちゃって程話してたっけ……?』
『日裏くんこんばんは。今週末の話をしていたんです』
今週末とはタイムリーな話だな……。土曜日は涼風と水族館に行く予定が入っている。チケット代がかかっていないらしいから格好くらいしか準備はいらないんだけどな。
『@明梨 100件も溜まってたぞ』
『@れいか 週末?』
『みんなはまだ風呂に入ってないのか? それとももう入ったのか?』
『俺はまだだな。8時に入るやつなんてお前くらいだぞ』
『私はそろそろ入ろうかと思っていました』
『もう風呂に入ったのは早すぎ! あと、100件は全く多くないよ!笑』
『実家ではこれくらいの時間に一人目が風呂に入らないと最後の人がかなり遅くなるってことで8時だったんだが……もしかしてみんな一人っ子なのか?』
『俺は姉が居るけど……思い出してみると確かに8時頃入っていた気がする?』
『私は一人っ子!』
『だろうな』
『@日裏静哉 それどういうこと!?』
なんというか、自由奔放というか唯我独尊というか……そんな感じがして兄弟姉妹が居るイメージがない。
『確かに明梨ちゃんは一人っ子って感じしかしませんね。ちなみに私も一人っ子です』
『江橋さんは基本的にしっかりしてるから弟か妹が居ると思ってた』
『俺は弟だが、姉は江橋さんみたいな感じじゃなくゴリラみたいなやつだぞ』
『ふっ、うちとは大違いだな』
『日裏くんは弟か妹ですか?』
『@れいか おっ! よくわかったな! 妹が居るんだよ!』
『そういえば、よく話は聞くんだけど写真も見せてもらったことない気がする』
『日裏くんの妹さん……もしよろしければ見てみたいです』
『私も気になる!』
『いいぞ。写真があったはずだから探してみる』
ということで俺は写真フォルダを漁りはじめる。……あれ、おかしいな……。俺と映っている写真しかないぞ……?しかもちゃんと髪まで整えられているようなものばかりしかない。
単体の写真か髪を下した状態でなければいけないのに一枚もない……。よし、これは無かったことにするしかない。
『すまん、なぜかなかったわ』
『えー』
『どうせあれだろ? 一緒に写ってるのしかないとかだろ! 恥ずかしがらないで見せろよ!』
『みんな、雅人が姉の写真を見せてくれるらしいぞ』
『よし。元の話題に戻そうか。何の話をしてたっけ? マリーアントワネットは実はパンがなければお菓子を食べればいいじゃないってセリフを言ってないって話だっけ?』
『切り替え早いなおい! というか無駄に気になること言うなよ!』
くそ。検索してみたら事実だし。何なんだその無駄な知識は……!
『違うよ!笑 週末遊ばないかって話だったじゃん!』
『そうでした。私は土日どちらも空いていますが、両方は不可です』
『俺は土曜日は予定はいってるから、もし遊ぶなら日曜日かな?』
『じゃあ日曜日遊ぼうってことでいいかな!』
土日両方に用事が入るだなんていつぶりだろうか。……ゴールデンウイークぶりだな、妹とでかけたから。
『日曜日に遊ぶのは構わないが、何をするんだ?』
『モールに行こう! モールで色々見たりしたい!』
『いいですね。私も夏服などを見たいです』
『俺は買う予定はないけどみたいかもしれないなぁ……』
『じゃあ日曜日はモールで集合場所とかは明日決めよう。眠い』
『はや!』
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