第19話 すとろぼ

(ストロボ…発光装置。)



[Before or in ? Sex]



3年前



僕の部屋。

いつものコタツ…からほぼ出ているテテに

覆い被さる僕。


こんな状態に気づかないで

チミーはコタツの中で寝てるはず。


「………っ……」


テテ…感じてくれてる…?



テテに触りたいから触る。

触りたいところを。

キスしたいからキスをする。

したいところに。

触れた事もキスした事も無かった場所

唇から頬、耳元から首、

お腹から胸…小さな突起にも触れ、

キスをして、吸い付く。


「……ミ……ミ…くすぐっ…たぃっ……」


くすぐったいだけなのか、

少し笑いながら身じろぐテテ。

それでも吐息と混ざる掠れた声が

僕をこれでもかって程、興奮させる。


「……うん…けど……もっと…」


甘い蜜が出てる?と思うくらいに美味しくて

ゆっくり舌で味合う。

同時に手を動かすと、

テテの素肌は弾力があって

手を滑らせるにも吸い付いてしまう。

ああ…全身から蜜が出てるのか…

しっとりと汗ばんできてるのが分かった。


「……っん…」


僕の下半身は

触らなくても硬くなっているのが分かる。

テテの下半身を服の上から

そっと撫でて刺激してみた。

……全く硬さは無く…これは…これで…

…しょうがない事だし…

僕が傷付く事じゃないと言い聞かせながら

テテが気持ち良くなるすべを探す…

全身をトロトロに味わいたいし、

自分の中で何の抵抗も無く

テテのズボンとパンツを下げ

変化していないモノを口に含んで

舌で味わった。


「…ミミ…無理しないで…」


首を振る。

何を心配してるんだろ。

舐めたいから舐めてるだけなのに。


……感じないから

舐められてもつまらないのかな…


「……ミミも脱いで…?」


殆ど脱がされてる状態のテテが

僕の服に手を伸ばす。

口を一瞬離し、

トレーナーとTシャツを脱ぎ捨てた。

上半身裸で、またテテのモノを味わう。



何分くらい味わっただろう。


…硬くなる事は無かったけど

テテのを舐めてるって思っただけで

僕の下半身は少しも落ち着かなかった。


テテは………無理なのかな…


口を離し、見上げると

少し起き上がるように頭を上げたテテが

僕の方を静かに見ていた。


「……気持ち良く……無い…んだね?」


「んー……ゴメン……」


「謝るなよ。謝る事じゃない…」


「ん…けど……じゃあ……

俺にもやらせて?

俺だってミミに触りたい。」



起き上がったテテがそのまま僕を倒し

覆い被さって来た。

同時に食べられるような勢いで

首元、鎖骨、肩…力強いキスが落とされる。


さっきまで可愛く身じろいでたのに…


僕の胸の上にあるテテの顔を見ると

こちらを見る強烈な瞳と目が合う。

舐めながら突き出してる舌も目に入り

視覚の刺激が強くて目を閉じた。



感覚に溺れてしまわないようにと思うけど…

僕も身じろいでしまう。


そしてヤワヤワと胸や腹に触れてくる

テテの手の動きだけで

今までくすぐったいと思っていた感覚が

更に

気持ち良いと思う感覚に少し変化する…



「……ぁん…っ!…くすぐったいっ…!」


声が出てしまう快感を

どうにか誤魔化し、

テテの手を取って止めた。

けどその手をもう片方の手とまとめて握られ

頭上の床に貼り付けられてしまった。


これじゃ腕が動かせないし、

脇も含めて僕の弱い所が全開になって…

快感からも逃げれなそう。


「……テテ……僕は……」


「………ん?…なに?」


舌を出し、胸を舐められる。


「……ちょっ……お…かしくなるからっ……

…んっっ!……ぁぁ……っやめてっ……!」


「……何言ってんの…やめないし…

おかしくなる?……なって?」


胸を這っていた舌が

急に突起へ…小さな乳首を転がし

柔らか唇で吸い付かれた。


「……あぁっ!」


そこが全身の快感スイッチのような…

そこだけでイキそうな、おかしくなる快感。


「……ぁーー……おれぇがおかしくなる…」


何となく耳に入ってきたテテの声は

掠れてるし

低いし

乳首に舌付いたままだし…


「……ホントにっ……

くすぐったいの…感じて…

おかしくっ……なっちゃうってば…」


「……大丈夫だよ…

ミミ、1人ではした事あるでしょ?

それを俺がしてるだけだと思って…」


「…っ…何言って…

全然違っ…おかしくなるって言ってるっ…

自分じゃ…身体触らないしっ…

こっ…んなに…反応しないってばっ」


「………っ…もぅ……

可愛すぎるから黙って…

や、嘘…喋ってて。何でもいいから…」


「……ちょっ……

何でもって……っ……ぁっ……僕っ……

身体っ…触られるだけで…

……いっ…ちゃうかも…」


「……出したかったら出して…」


そういうテテの舌はまた乳首を這うし、

僕の両手は頭上で動かさせないままだし、

反り立って今にも絶頂に達しそうなモノへ

テテの片手が伸びてきた。


出したかったら……?


テテの手に直接優しく包まれる。

先走りの液を馴染ませ、緩々と動くリズムで

下も胸も同時に煽られる。


出したくないのに…


初めて人の手で達した。

テテの手で。



「……っ……っはぁ……っはぁ……

……結局…僕っ……だけ……」


「……やっぱり……」


「……え…?……何…?」


「…俺……」


僕の両手が解放されて

そのまま左手だけ

テテの下半身へ持ってかれると

今まで柔らかさしか無かったモノが

硬さを含んでいた。


「……あ……」


「……うん。少し元気になった。

……ミミがチョーエロいから……」


「……こ、の先も…してみる…?」


「…したいけど…いきなり…

何も用意してないし…」


「……僕が頑張っても…無理っぽいし…

テテが僕を…好きにすればいいよ……」


「……んー…

ミミが感じてるとこ…もっと見たい…」


「これ以上無理だよ…」


脱ぎ捨てた服を拾い

胸や脇腹を隠す。


テテの手には僕が出した液が

沢山付いたまま。


「……ティッシュそこ…」


「ああ……

ミミ、もう少し…

俺…初めてこんな感じ…

ミミとならイケるかも…」


ティッシュで僕のを拭きながら…

全部は拭かずにトロトロと弄りだす。


僕はベットへ上がり、布団の中へ…

何も身につけていない身体を隠した。


「……これ以上無理ってのは、

これ以上感じたらおかしくなるし

只でさえ、全部初めてで…

テテは……僕で…テテが…僕を……」


僕の精液を手に付けたまま

テテもベットへ上がってきた。


無言なテテ、笑みを含んでいないと

それはそれで怖い程の美しさ。

…見惚れてこっちも無言になる。


布団の中でゴソゴソとズボンを脱ぎ、

顔を近づけて身体も密着させてくると

硬さを含んだテテのモノと

今出して微妙な硬さの僕のモノが

濡れたテテの手で一緒に弄られた。


当たり合うモノ。

緩衝しながら…テテの硬さと

熱をそこから感じる。


近くで僕を見つめる視線から逃げるように

テテの首に両手でしがみ付いた。



「おかしくなるとか……初めてとか……

俺もこんなになるの初めてだから……」


耳元で聞こえる低く掠れた声。


テテの空いてる手が

また僕の脇腹や胸を触りだす。


下の刺激も同時で…今イッたばかりなのに

全てがテテに操られていておかしくなる。

……必死に声を抑え、

テテの首筋に当たっていた口が

無意識に開き、舌を当て歯を当てた。

それでも声だか息だかわからないものが

出てしまう。


「……ミミ……?…っ…気持ちいい…?

……お…れっ…イケる…かも……」


耳元に吐息までかかる。


僕はテテの首筋に口を付けたまま、

ヤワヤワと頷きながら

僕のモノの硬さ、テテのモノの硬さ、

テテの大きな手が上下する感覚に耐え…

テテのモノがドクドクと動くと同時に

僕も耐えきれず、また果てた。



「……ハァ…ハァ……

……ミミ……ミミ…?こっち向いて…?」


力が入らないし、

閉じていた目をゆっくり開けると

目の前のテテの肌にクラクラする。


テテの顔に目を向けると

自然と唇が付く程の至近距離…


ゆっくり、お互い息を整えながら

唇を合わせた。

汗ばんだ肌もお互い出した液も

とりあえずそのまま。


目の前のテテの少し上がってる口角

下がった目元の隣から来る強い視線を受け、

僕も負けずに視線を絡める。



テテが本当に好きなんだ……



そう思いながら、

ゆっくり…ゆっくり、何度も唇を合わせた。



首に回していた手を首筋に添えると

震えてるような、

血がドクドクと早く流れてるような、

テテの熱が指先に伝わる。


テテの胸に

僕の胸をぴったりと合わせた。



僕の胸の速さも熱もテテに伝わって欲しい…


テテに出会った時に感じた

胸の温もりも全部。







汚れたシーツ、布団カバーは洗濯機へ。

母親への言い訳は

ジュースを零したとか何でも大丈夫だけど、

この先何度もだと怪しまれるから

これからは気をつけないと……



お互い服を着てベットに入ってるなら

もう慣れっこで両親は驚かない。


隣でスヤスヤ寝息をたててるテテを

そろそろ起こし、

今日も学校へ行く準備をしなければ。


頬を突つく。


唇を引っ張る。


「……んー……」



この唇と何度もキスを…

服で隠れてる部分の肌を触ったし…

脚の間にも手を伸ばして触ったし…

掠れた声、声にならない吐息を聞いたし…

乱れた呼吸を整える為に吐き出す息も…

数時間前に味わった事頭の中一杯。

非現実過ぎるけど…

テテと2人で現実に戻らないと。



「テテ、もう起きないと。

………お父さんと話さなくていいの?

お父さん今日帰るのかな…?」


「……さぁ……」


「ほら、起きて。」


布団を剥がす。

偶に僕の部屋で寝ていった時と同じく

いつものように起こす。

いつもなら目をこすりながらや、

背伸びをしながら

とりあえずベットの上にあぐらをかき、

少しボーッとしてから部屋を出る。


今日は…

肩を叩いた僕の手が掴まれた。


「……ミミ…

夢…じゃないよね。俺達……」


「……ああ、昨日、ね…現実だよ。

…僕は分けないと

普通の生活もおかしくなりそうだから

頑張っていつも通りの現実に

戻ろうとしてるけど…」


「…あーー…

俺は分けれないかも…

早くまた夜にならないかな…」



一向に起き上がろうとしないテテが

僕を見つめて笑ってる。

下がる目元と四角い口。

笑顔だけでも破壊力があるのに

いつも口数少ないテテから甘い台詞。


また実感する。

病気で勃たないと言っていたテテが

僕とSEXをした。

…まぁ初めての僕でもSEXとまでは

言えない行為って知ってるけど、

幸せな気持ちになった事に変わりない。


「…まだ朝だし…

…まぁ…早くまた2人になりたいけど…」



僕の方が照れてしまうけど

夢と現実の間もテテとなら居心地が良い。


掴まれた手をそのまま引っ張り、

起き上がらせて唇を重ねる。


「ほら。ズボン履いて。カメラ持って。

いつもの時間に……あ、僕…

この脚じゃ自転車漕げないんだった…」



「ミツー!起きたー?!

お母さんの車に乗ってくでしょー?

輝良君も一緒ー?

そろそろ出るから早くねー?」


ドアの向こうから母の叫ぶ声。


「あ、テテも車で行こ?!

早く用意して来て!僕も急ぐから!」


「イエス!!急ぐ!!後で!」


急いで立ち上がり、ズボンを履き、

カメラを持ったテテは

僕の方へ振り返り、少し上から首を曲げ…

唇を重ねてから家へ戻っていった。



僕はこの朝このいつもの時間、

テテとキスを繰り返した事や、

夢の様な昨日の事を思い出してしまい

両親の前でにやけた顔を隠すのが

大変だった。








pm9:00



「またどうせ同じベットで寝るんでしょ?

だと思って布団用意しなかったんだけど…」


「はい!お構いなく!」


「……うん…

わざわざ布団セット用意しなくてもいいよ。

狭いだろうけど…」


自分の部屋に久しぶりに入る。

テテの腕の中には玄関でお迎えしてくれた

チミーが抱っこされていた。


「…お父さんさんまだ帰って来てないから…

あなた達も移動で疲れたでしょ?

今日はもう休んで、

明日お父さんに顔見せたらいいと思うわ。」


「うん。そうする。お風呂、後で使うね。

おやすみなさい。」


「おやすみなさい!」


「はい、お休みなさい。」


静かになる部屋、

母と足音が遠くなってからまた話しだす。


「…一緒に寝るけど…何もしないならね。」


「……はいはい…ミミが我慢出来たらね。」


「…っ…そうだよ!

我慢するって先に宣言してるんだよ!」


「……ふふっ。可愛い事言ってると

その宣言もどうなるか……

あ、久しぶりにこのDVD見ようよ。」



…ホント…我慢するって宣言を覆すような

笑顔を向けてくるテテ。



出会った頃、共に過ごした高校生活で

少しだけしか見れなかったテテの笑顔に

胸が温かくなったけど…


こんなに沢山の笑顔を向けてくれるテテ。


胸が締め付けられたり

温かくなったり。




僕の胸はあの頃のまま…

ずっと忙しない。





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