第35話
「あらあら、まぁまぁ、良く来てくれたわね。イケメンくん」
イケメンくんって……
てか、良く考えたら似てねぇ親子だなぁ。
まあ、地味だが可愛いおばちゃんではあるが……
逆にエリザベスの母ちゃんって言われた方がしっくりくるわ。
俺は、着いて早々に応接間に通されて、カミラ女王陛下とワイアットさん、王女三姉妹に囲まれ肩身の狭い思いをしながら対面テーブルについている。
堅苦しいのが苦手だと言って居た俺の言葉を考慮してくれたのはありがたいのだが、王女はここに要らないと思うんだ?
なんて言葉は言えず「お招きありがとうございます」と頭を下げた。
「うむ。其の方は我らに本当に必要なことばかりを成してくれている。
ソフィア王女の命を救ったばかりか、前を見てくれるようになり、その上へレンズを立て直し、リアム様の仇を調べ上げるとは出来過ぎていて逆に不安になるくらいだ。
だというのにその上で魔法の効果を上げる方法を齎してくれるとは……
これ程に褒美を与えたいと思わせる相手もそうおらぬ」
「もうワイアット、そう矢継ぎ早に色々言わないの! 困ってるでしょ?」
いや、早く終わらしたいからそれでいいよ!
「俺はただ自分の出来る事をやっただけです。
あっちでの事はヘレンズの騎士の功績なんで、俺はただ居合わせただけだと思ってください」
「あら、身を挺して私を救ってくれたじゃない。
あなたが居なければ私は確実に死んでいたわ。凄く素敵だったわよ?」
おい、どう考えても最後の一言はいらんだろ!?
「だから出来る事をやっただけだってば……」
だから引っ付くなって! てかお前普通に考えてそっち側座るもんじゃないの?
と小声でエリザベスに問いかけていれば、何故かソフィアが俺の腕を引いて引き寄せた。
「そんなの私だって一緒。聞けば自分が戦えもしない階層に飛び込み、私を抱えて安全な所まで運び、私を助ける為にその場で回復魔法を習得してみせたのよ?」
概ね間違ってはいないけど、お前それ知らないだろ? 意識なかったじゃん。
てか、引き寄せるのやめろ!
と段々俺の声も大きくなってきて「いいから離せ!」と言っている所を女王様と宰相に聞かれてしまった。
目の前に座る二人が興味深々な瞳を向けて観察している。
「それはカイトさんの想いとは関係ありません!
私にはとても魅力的だ。身分が及ぶなら求婚したいと契約魔術で誓ってくださったのですよ? お姉様方とは次元が違うのです!」
「あ、アリスちゃーん?
それは可愛いって思ったのは嘘じゃないよってことだよ?」
あっ! やばい。こんな所でアリスちゃんって言っちゃった……
「あらあら、お母さん困ったわ。これじゃ誰応援していいかわからないじゃない」
「何を仰いますかカミラ様。
いくら貢献度の高い褒賞とはいえ王女の降嫁を騎士爵になど絶対にありえませんぞ」
「ごもっともです。わかっているのでお構いなく……」
そう返せば宰相さんはホッとした様子。うん。俺もホッとしたありがとう。
「して、褒美じゃが……其の方は何を望む?」
「あ、お金がいいです。それもあまり大金じゃない方がいいです。
前回と同じくらいでお願いします」
「な、なに? どういうことじゃ」
え? ダメなの!?
少し困惑して視線を向ければ彼は「責めてはおらんぞ」と断りを入れた。
「いや、自ら小額を望むとは思わなかったのでな。何故、そうして欲しいのだ?」
「いえ、だって一杯もらっても……なんか後が怖いし。
王女が無理言ってきそうだし……」
「「それって私の事じゃないわよね?」」
「どっちもだよ!! あっ、すいません……」
その様を見たカミラ女王陛下が爆笑している。
やめてよ。俺は切羽詰ってるんだから……
「ふむ。其の方の気持ち、わかった気がするぞ。じゃが、ここまでの大金星と言える功績を挙げたのだ。つまらない褒美で済ませては周囲に要らぬ誤解を与えてしまう。
其の方はこの国を三度救ったと言っても過言でなくなってしまったからの」
そう言って宰相はその理由を挙げた。
まず、王国騎士団のこと。
次に、戦争の火種を前もって知らせたこと。
そして、魔法の効果を飛躍的に引き上げたこと。
二番目は違うと言おうとしたのだが、己の騎士の功績は主のもの。そして主が騎士を称えるものなのだと先に言われてしまった。
「そして何より、我らの悲願である仇を探し当ててくれたことよ。これがわしが生きているうちに叶った事が嬉しくてならん……」
そう言って宰相はホロリと涙をこぼした。
でもそう言うには早すぎんだろ。
「ちょっと待って下さい。今この国大ピンチなんですよね?
俺、それをどうにかしようと必死なんですけど……
皇国に勝てる見込みあるんですか!?」
「皇国が相手なら無理じゃ。じゃがオルバンズ伯の独断ならば話しは変わってくる。
言うておくが、うちの兵は強いのじゃぞ。だからこそオルバンズ伯は王国騎士団を罠に掛けねば攻め込めなかったのじゃ。
この事からわかるじゃろう。状況証拠からも独断の可能性が高いと。エリザベス王女殿下から聞いた間者の情報でもそうじゃった。確度は高いと思うておる」
そのままワイアット宰相は語った。
オルバンズの独断で、アンドリューが本腰を上げて協力してくれるなら一方的にやられる事は無い。
そこから魔法の向上が加われば、勝てる可能性は十分にあると。
早期に東部森林を一度綺麗にして、そちらの戦力を戦争に当てる算段のようだ。
「じゃが、この情報が無ければ仮にオルバンズだけが相手でも勝てる見込みも無かった。それほどの価値があるということじゃ。
お主にそのつもりがあれば、貴族位を授けようと考えておったのじゃが……」
「「「それよ(です)!」」」
ど、どうした皆して……
「お待ちくだされ。
仮に授けるとしても男爵位です。到底降嫁には見合いませぬぞ」
ワイアットさんは少し困惑した様子で彼女達を止める。俺は彼の言葉に希望の光が見え、追従する様に頷く。
「大丈夫よ。こいつはこれからも活躍するもの!」
「ええ、そうでなくとも共に居る事に不自然さが無くなります」
「さ、最初から伯爵位でもあげて私を降嫁して頂けませんか?」
「「ちょっとアリス!?」」
再び俺の意思が介在しない時間がやって参りました。
だが、俺は声を大にして言いたい。遊びたいお年頃なのだと。やれない王女よりやれる平民なのだと。
ここはもう言うしかない。声を大にして。
「だから、重い役職なんてやりたくないって言ってるだろ!
身分も釣り合わないんだから諦めろよ!」
キッと睨みつけながら大声を上げてみれば、三人そろって泣きそうな目で返された。ヤバイ、ダメージがヤバイ。
「あらぁ? 娘を泣かせるならお母さん怒っちゃうぞぉ?」
な、なにっ!? あらぁはこいつから来たのか……?
やばい、下手したら一番の強敵なのかも。
どうすんの俺。一番平和そうな人怒らせちゃったよ。
「い、いや、だって俺一般人ですよ? 王女様を娶れとか言われても無理ですよ。
それに自由に生きたいですし……」
「いいえ。リアムも良く言って居たわ。自由は自分の手で掴み取るものだと」
いやいやいや、その為に今、俺頑張って戦ってるの!
話が前提からおかしい。ワイアットさん助けて?
「うーむ。カミラ様、これはどう考えても国の勤めとして王女殿下には我慢して頂くしか……」
「あら、一人くらい良いじゃない。せめて見事射止めた子には許しを与えてあげましょうよ。あなたももうこの子達のお爺ちゃんみたいなものでしょ。
幸せになって欲しくないの?」
「いやしかし……今は候爵家にも伯爵家にも年頃のものもおりますし、それを差し置いて男爵程度のものに降嫁すれば方々から反感を買いますぞ?
それに身分を気にせず言い寄ってよいのだと勘違いするものも出るでしょう」
「そうですそうです。戦争が起こるかも知れない時に国が割れては大変です」
俺はうんうんとコバンザメの如く宰相の後に続く。
だが、その発言が良くなかったらしい。
「ちょっとあなたたち、心は掴んでるって言ってたじゃない。なんか本当に嫌がってるみたいよ?
お母さんだけ頑張って馬鹿みたいじゃない。ちょっとは前に出なさいよ」
いやいやいや、掴まれてねぇから! 無理やり腕を掴まれただけだから!
「まだちょっと早かっただけですわ。だって私と一緒にいて楽しいって思うようになったと今日言ってくれましたもの。ちゃんと前進してるんです」
「あら、そうなの?」
「私なんて、ずっと笑顔を守っていたいって言って貰いました!」
「まぁそれは素敵ね?」
「わ、私だって……抱きしめて貰ったし?」
「「それは違うでしょう?」」
「あらあら」
なんなのこれ……めっちゃ帰りたい。
「俺、もう褒美いらないんで帰って良いですか? さようなら」
「待て待て、待つのだ。
カミラ様、これでは話が進みませぬ。一度王女殿下に退室願いたいのですが?」
「そうね。全員を口説いている弁明を聞いておかなきゃね?」
などと不安しか残らない言葉を最後に、ご立腹の三人が退室する。
もう決めた。また逃げよう。今度はアレクに声を掛けてから行くか。
なんて考えて居れば、あちらは尋問の準備が整ったようだ。何故か魔紙が置いてある。
「さて、では早速この紙に署名して頂戴な」
何言ってんのこのおばさん。なんで褒美で呼んで契約魔術を強制でやらせるんだよ。恩知らずにも程があるだろ。
そう思いつつも目を通す。
今から一刻だけ嘘ついちゃダメよ?
お姉さんとの約束。守らないとお腹痛くなっちゃうから。
署名
おーーーい! 神様の名前すら入ってねぇよ! これ効果ねぇだろ!
けど、話を信じて貰うには丁度良い。
俺は署名にカイト・サオトメと記入して、下の列に女神アプロディーナの名の下に正直に話すことを誓うと綴った。
「あらあら、冗談だったのに!」
「ムカぁ」
俺はアレクの真似をして怒りを表現した。
おばさんはつぼにはいったのか大爆笑している。宰相は予想外過ぎたのかポカンと口を開いたまま動かない。
「あー、面白い。あの子達がが気に入るだけはあるわね。
そ、それで誰が一番好みなの?」
「アリスちゃんです! けど、身分が違うのでお友達で!」
何故か俺が喋るとこの人は笑う。意味がわからん。
けど、今が信じて貰うチャンスだ。全部はっきり言ってやる!
「じゃあ、これからのあの子達との関係をどうして行こう思ってる?」
「怖いのでとにかく逃げたいと思ってます!」
「なんでよ!」と突っ込みの様に言葉を掛けながらも笑っている。
「……お腹痛くない?」
「……その言葉お返ししてもいいです?」
「そうね。ちょっと痛いわはははは」
わははって……ちょっとワイアットさん。これ、いいの?
「す、済まぬな。本来、褒美で呼んでこの様な事をさせるのはありえぬ行為なのだが、カミラ様は言っても聞かぬのだ。
カミラ様、もう宜しいでしょう?
彼は当たり前の事を言っているのです。民の規範となる行動と言えましょう。
姫様方が救出により心が揺れた事もまた致し方ないことですが、己の立場を考え、王家のものとして相応しい選択をして頂くしかありません」
そうそうそれそれ、そんな感じ。
「そうねぇ。
契約してもこの答えなら、あの子達が射止められていなかったという事だものね。
けど、困ったわぁ。
ここ最近のあの子達の楽しそうな様子を見て、私も嬉しかったんだけどなぁ……」
チラチラとこちらを見ながら訴える女王。
話が一段落ついても、未だに彼女は戦争の事にも仇の事にも東部森林の事にも一切触れない。
自分で言うのもなんだが、これだけ情報持って来て黒い魔力の可笑しな奴を相手に何も尋ねたりしないの?
そこら辺を尋ねたいから娘を利用した契約だと思っていたのだけど……
あんた王様なのに国の危機に娘の色恋の話ししかしないの?
ワイアットさんだけが心を砕いている様にしか見えず、俺は苛立ちを覚えたままに、女王に問いかける。
「そんな事より今は国のことでしょう?
もしかしてソフィアが人の命軽く見ていたのはあなたの所為ですか?」
「えっ? どういうこと?」
「嘘吐けないんで正直に言わせて貰いますと、もし俺の読みが正しくて女王様がすべてをワイアットさんに投げているとしたら、ヘレンズ子爵よりも酷いと思いますよ?
このまま戦争になれば、数千、数万の人が死にます。
その死者の人数を上下させるのは王の采配次第だと俺は思いますが、どうお考えですか?」
そう告げれば、カミラ女王は目を見開き、初めて笑みを消した。
「これ、流石に口が過ぎるぞ。カミラ様とていきなり王位に着かされたのだ。
自覚が足りないとは私も思っておるが、それでも王として今日まで支えたのもカミラ様なのだ」
「すみません……俺の騎士の命が掛かってると思ったらつい」
カミラ女王に頭を下げたら彼女は寂しげに笑った。
「あらあら……お説教されちゃったわね。でもそう。私がそこに無頓着だからソフィアが護衛の子を死に追いやってしまったのね。
けど無理なの。どうしてもわからないのよ、ワイアットたちの話を聞いても。
そんな私が主導権を握ってはいけないと思ったの。だから今までお飾りとして座っていたのだけど、あなたはどうしたら良かったと思う?」
その顔には、俺への敵意は一切感じなかった。ただ後悔と不安。それはまるでエリザベスとソフィアの悲しげな顔をたして割った様なものだった。
「サポートすればいいと思います。
俺はこの契約、情報を抜く為の物だと思ってサインしました」
彼女は「情報を抜いても、私には扱えないわ」と諦め顔で目を伏せた。
「そこは周りに投げるべきでしょう。わからないのが普通だと思いますけど……」
「でもそれじゃどんな話を聞き出せばいいのかもわからないじゃない」
「えっ? そんなの契約させたんだからお前は国に利する情報もう持ってないのかとか尋ねればいいだけじゃないですか。
そこからワイアットさんたちに後は任せたと言えば十分じゃ?」
その瞬間俺が言っている意味がわかったようだ。
「なるほど……では、改めて聞きます。
あなたは国に有益な情報を持っていますか?」
「ええ、良くぞ聞いてくださいました。まだもうちょっとだけあります」
俺はやっと言えるとニヤリと笑い、昨日覚えた魔法のことを全部話した。
「詠唱弄ったら人に掛ける事も出来ました」
「な、なんじゃと!?」
ワイアットさんは魔法にも精通している様で、詠唱を弄った事を伝えたら「なんと危険なことを」と心配された。
どういう事だと聞いてみれば、過分な事を望んでしまえば天罰が下り魔力どころか魂までをも吸い取られて死ぬそうだ。
詠唱の形を変えようと試みられた事はあるらしいが、結果的に水晶の情報に従うのが一番効果が高いとされたそうだ。
下手に効果を上げようと詠唱を弄ったりしたものは大半が魔力を取られすぎて死んだらしく、欲張りすぎて神の不興を買ったと言われているそうな。
「一言だけ、我を彼の者に変えただけですし、魔力消費も多分変わってないと思いますよ」
「試しにそこの兵士に掛けてはくれんか?
近衛なら契約で全員縛ってあるので秘密は守れるのでな」
そう言われたので、シールドを掛けた。ヘイストを掛けてもここじゃ解り辛いだろうし。
そしてもう一人が即座にシールドを掛けた者に切りかかった。
ちょ、腕とはいえ全力過ぎだろ! と止めようとしたのだが、時既に遅し。ガツンと音がして鎧を打ち付けた。
良かった。こんな世界だから鎧切ったりするかもしれないと思ってたし……
「これは、素晴らしい。
腕を切り落とすつもりでしたが、傷が少し付いた程度だ……」
って切れるのかよ!? 怖いから止めてよもう!
「でもヒール以上に魔力を使いますし、適正の問題もありますから、誰でも頻繁にとはいきませんからね?」
彼らはそんな事は当然だ。だが最初の一撃を無視して切りかかれれば凄いアドバンテージになるぞと沸いていた。
それから場所を移動して魔法のレクチャーを行った。
シールドの次にヘイストを覚えて貰えば更にテンションを上げ、マジックシールドを覚えれば魔法を打ち合ったりしていた。
「ちょっと何やってんですか!? 『ヒール』」
何故かファイアーボールの魔法をチョイスして撃ち合ったので彼らは結構なやけどを負った。
やはり、ゴルゴーンの説明が雑だったからか、シールドほどの効果が見込めなかった。
「いや、確かにシールドよりは劣るが、あの程度ですんだのだ。これは革命的だぞ」
あの程度ですんだのだってあんたら下手したら死んでたぞとまるっきり理解できない行為に冷や汗を搔きつつのレクチャーとなった。
「あなた、本当に凄い子なのねぇ。ワイアット、これは本当にあの子達の誰かと結婚して貰って、国で囲った方が良いんじゃない?」
またそんな事を言い出す。ワイアットさん、はっきり言ってやって!
「そうですな。
これなら反感を買う以上に利が……いや、この功績で勝利を得れば理由も十分か?
ふむ。戦争への勝利の貢献が一番高いとなれば誰も文句は言えませんな……」
「あら良かった。あの子達喜ぶわぁ」
ちょっと? 俺の意思! これ褒美! 仇で返すの止めて!
と、精一杯訴えて、もし心を射止められたら受け入れてあげてという話しで落ち着いた。
仕方が無いのでそういう事ならと話を受け入れ、一応俺からも、その事を本人に伝えるのだけは止めてねとお願いをしておいた。
だが「また遊びにいらっしゃい」と何故か女王にお友達感覚で話しかけられるようになってしまった。
遊び半分での呼び出しとかされないといいのだけど……
そんな事を思いつつもご褒美タイム終了となり、褒美として結局大金貨二十枚も貰う事になった。
戦々恐々としながら即行で帰ろうと思っていたのだが、隔離されていたはずの王女三姉妹が放し飼いになっており、俺は再びドナドナされた。
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