クリムゾンの迷宮

 元会社員、今は無職の冴えないおっさん藤木は、日本とは思えない異様な風景の中で目を覚まします。周囲は赤く染まる奇岩が連な、雨が降っていました。不確かな記憶を探り、自分の置かれた状況を探ろうとする藤木。手荷物のゲーム機には、「火星の迷宮へようこそ」という文字が表示されていました。

 という感じで始まる本作。ジャンルはデスゲームものです。

 集まった九人の男女は、ゲーム機の指示通りに行動し、それぞれ指定されたチェックポイント(CP)を移動していきます。

 初めのCPには四つの分岐があり、それぞれ食料、サバイバルのアイテム、護身用の武器、情報が手に入るようになっていました。藤木はペアと共に情報を得るために進むのですが、序盤のここでもかなりの伏線が散りばめられております。

 本作を初めて読んだのが数年前で、ステイホームのために中古で買い直して二回読んだのですが、初めから終わりまでぞっとさせられっぱなしでした。夢の国のキャラクターをパクったゲームの進行役、プラティ君や赤い迷宮がいい味を出しております。

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