吾峠呼世晴 短編集
かの有名漫画「鬼滅の刃」の作者による短編集です。
「鬼滅の刃」連載前に書かれたプロトタイプ「過狩り狩り」と「文殊史郎兄弟」「肋骨さん」「蝿庭のジグザグ」の四編構成で一冊の漫画にまとまっております。
各タイトルからしてぶっ飛んでて異色です。もちろん内容も。私は「鬼滅の刃」よりこちらの方が好きです。でも万人受けはしなさそう。
読んだ印象は、「これが作者の本当の作風なのかな」です。全体的にダークかつ救いのないストーリーで、とても「鬼滅の刃」のような善人を主人公に据えた熱い少年漫画を書いている方には思えませんでした。
絵は、トーンがほとんど使われておらず平面的で初期に書かれたことがよくわかります。独特のセリフ回しや読みがな無しじゃ読めない登場人物の名付けのセンスは「鬼滅の刃」に引き継がれています。
「過狩り狩り」以外は全て現代日本が舞台ですが、呪術や化け物、河童といった非現実の存在が登場します。ところどころ、「鬼滅の刃」に引き継がれたらしきネタや描写があるので鬼滅ファンはそういう楽しみ方もできます。
私も読んでいるとき、「鬼滅」のラスボスの衣装と「肋骨さん」に出てくる邪氣憑きの女の服に使われてるトーンが同じ! という発見がありました。
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