告白

 かの有名なイヤミスの女王、湊かなえさんの作品です。

 舞台はとある県の中学校。終業の日の一場面で幕を上げます。

 校内のプールで事故死した娘について語り始める女教師。不穏な空気が支配する教室に、女教師はある爆弾を投下します。

 娘は事故で死んだのでなく、このクラスの生徒に殺された……。

 主人公は二人の犯人を少年A、少年Bと呼び、事件の顛末を生徒たちに語ります。

 女教師の復讐に揺れ動く犯人、クラスメイト、犯人の家族など、複数の視点から、女教師が去った教室で繰り広げられる地獄のような日常が描かれます。


 読みながら、何度もページを閉じそうになりました。

 起こりうるすべての結末の中で、最も後味の悪いものを選んだようなラストは、ショックで二、三日引きずりました。

 ごく普通の人々が事件によって歪み、死者を増やしていく過程は、すべて不幸な偶然の連続によって形成されており、まさに悲劇と呼ぶべき物語に仕上がっております。

 犯人のあの発言が無かったら、新しい担任が別人だったら、学級委員長が手紙を渡せていたら……。

 きっと迎えた結末は別のものだったでしょう。

 

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