第5話 シェリーさん頑張る

さて、この時がやって参りました…。

覚えていますでしょうか。私が縫ったハンカチの存在を!そう、私は今日、このハンカチを渡す事にしたのです!だって次いつ帰ってくるかわからないでしょう?


そんな事を考えていたら、あっという間に旦那様の部屋に着いてしまいました…。

深呼吸をします。スーハー!では!いざ!

シェリーは出陣します!


執事のリッテに取り付いでもらいました。

「どうしたのですか?何かありましたか?」

旦那様が不思議そうにしています。

「あ、あのっ!これ!どうぞ!」

緊張でこれしか言えません。

いらないと言われたら、立ち直れません…。

「…これを、貴方が?」

「はいっ!作りました!」

驚いている…。あの旦那様が!驚いている!

「ありがとう…大事にします。」

そう言って、柔らかで優しい笑みを浮かべていらっしゃいます…。旦那様はイケメンなのに、いつも厳しい顔をなさっているので、勿体ない…。

ぽーと見てたのでしょう。

怪訝そうなお顔をされています。そんなお顔も素敵です。そして、はっと我に返り、


「あ、えと、そろそろ部屋に戻りますね!旦那様も、あまりご無理をなさらぬよう!失礼します!」


脱兎のごとく部屋から飛び出す私。今日はいい夢を見れそうです。

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