第4話 シェリーさんとお久しぶりの旦那様

「お帰りなさいませ、旦那様」

久しぶりの旦那様です。ここまで近くにいるのは、結婚式の日ぶりです。しかし、旦那様こちらを見ようともせず、

「ああ。」

としかおっしゃいません。リッテがお食事をなさるか聞いています。

「ちょうど今、夕食を食べようとしていたところです。良ければ、一緒に食べませんか?」

形だけでも誘います。どうせ断られますしね…。


「そうか。なら、一緒に食べよう。」


…へ?今、何て?一緒に食べる…!?

リッテと共にフリーズしてしまいました…。そして、今。私は旦那様と食卓を囲んでいます。


「ポトフは私が作りましたので、お口に合うか…」


なんてことでしょう。一緒に食べるのであれば、もっと凝ったものを作ったのに…。ほぞを噛む私をよそに、旦那様が一口ポトフを食べました。


「どうでしょう…?」


恐る恐る聞いてみます。旦那様は無言のまま、サラッと食べ終えました。そして、ぼそっと、


「美味しかった…」


と呟かれました!無意識だったらしく、気づいた瞬間、耳まで真っ赤になっていました。


「ありがとうございます…お粗末さまでした…」


それから、旦那様の食べるスピードは早く、ササッと食べて、ササッと食堂を出ていってしまいました…。

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