第3話 シェリーさんと冬の日
前に話したとおり、フラント公爵領は南にあり、比較的暖かいです。しかし、冬は冬。それなりに寒い。私にとって、「それなりに」寒いは、「かなり」寒いのです。靴下を何枚重ねても足の冷たさで靴下が全然暖かくないし、お風呂に入るとピリピリして痺れるし。外に出るのなんて苦痛です。冬場のパーティなんて、私にとっては死地に赴くようなもの…。そんな私についたあだ名は「北の冷華」。何だか冷たい人のように聞こえます…。まぁ、ある意味あってますが。
しかし!私も冷え症に、やられっぱなしではありません!外が駄目なら内から!冷え症改善レシピを沢山作ってあります!もちろん、冬場ですし、過酷ではあります。しかし、仕方がありません。なぜならとても楽しいから!それに、食べたら暖かくなるのでプラマイゼロです!
というわけで、お料理スタートです!本日作るのは、根野菜のポトフです!料理人たちが不安そうに見ていますが、構うものですか!リッテにも止められましたが、こればかりは引けません。私専属メイドのルルリアが、動きやすくて暖かい服を着せてくれました。
ショリショリ…トントントントン…。にんじんや、大根などが手際よく調理されていきます。私によって。料理人たちが驚いています。うへへ…!実はここに来る前から、シルベリア家の料理長にお料理を教えて貰っていたので、プロ並みではなくても、出来るのです!えっへん!『野菜を切るときは、猫の手にしてください!』何百回も言われました。
さて、切り終わったら順次お鍋に入れます!あとはコンソメなどを入れて完成を待つだけ
です。出来上がりが楽しみです!その間に洗い物をしようとしたら、料理人達にとめられました。
「奥様は冷え症でしょう!?私たちがやるので
、もう休んで下さい!」
皆さん、必死です。私が冷え症という事を知っていたみたいです。確かに洗い物は辛いので、任せる事にしました。
そして、ようやくポトフが出来ました!さて、いただくぞ!と思った瞬間。
「失礼します!奥様!旦那様がご帰宅なさいました!」
旦那様が約1ヶ月ぶりに帰ってきました。
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