第12話
それから私は学校に行くことすら怖くなった。
すれ違い様に言われる悪口は大したことないと思っていた。けど、日に日に精神的ストレスへと蓄積されていた。
悪口を言われる度に怖くなり、俯いてしまっていた。
そんな生活が当たり前だと思うようになった頃、私は前を向いて歩けなくなっていた。
小さな悪口を言われているだけなのに自分が正しいという自信すら失くなり、一人孤立するようにもなってしまった。
孤立とは言っても一人の私を見かねて大智だけは毎日毎日、話しかけてきた。
私がめげずに学校に通っているのも大智がいてくれるからだ。けど、大智が私に話しかけて来る限り私に対するいじめは決して終わりを向かえない。
私が無視をしても話しかけてくる大智は私の支えでもあり、苦しみの発端でもあった。
嬉しいのに辛い。嬉しさだけでは済まされない現実に私はとうとう嫌気が指した。
「心。一緒に帰らない?」
いつものように懲りずに話しかけてくる大智に私は思ってもいない言葉を浴びせた。
「いじめられてる人に話しかけないで。大智が善人ぶってやってることが私には迷惑なの!」
私の目に映るのは目を丸くして驚いている大智だった。私はこれできっと嫌われるんだ。
(少し、寂しいな)
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